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悪魔がウチにおりまして・339

悪魔はどこにいる?

あの阿呆の悪魔は。


悪魔がどこにいるか、なんてわかるわけもなく街をうろうろするハメになっている。

「あのけむくじゃら、どこにいるのよ」

我ながら口が悪いと思いつつ、今回は許してもらうとしよう。

アンタが攻撃を受けていても、ウチの攻撃を引き受けてくれていたとしても知ったことか。

そんなことならお姉に頼ったり狐に祈祷して貰ったり方法もあったでしょう。

全部自分ひとりで引き受けて、私に当たられても困るのよ。

私だって防御結界くらい張れる、背に腹は代えられないでしょう。

今日ばかりは本気でお説教である。

絶対にしばき倒してやるんだから。


「ニンゲンなんて、大嫌いですー……」

石をぽーいして川に投げるつもりでしたが、向こう岸まで飛んで行ってしまいました。

向こうに誰か居ないといいのですが。

ニンゲンはヒドイのです。

ボクがアタックされて疲れてるのにやいのやいのうるさいのです。

あの夢に関してもボクだけじゃなくニンゲンとか、ごんちゃんとか、クモちゃんにも来ていたかもしれないのに。

知らんのです、どうなっても。

「ニンゲンの、安月給ー」

「関係ないでしょう!」


アホの子が今回のケンカと関係ない悪口をつぶやいている。

これは折檻レベルを上げねばならぬ。

「に、ニンゲン!……なんでこんなところに!」

「……ほら、帰るよ」

手を差し伸べると、悪魔はぷいっと顔を背けた。

「ニンゲンはボクに出てって欲しいって言いました。だから嫌ですー」

不貞腐れてるコイツ、テコでも動かない気がするんだよなぁ。

「……言い過ぎた、ゴメン。ただ、これから無茶はしないで。アンタいなくなるの、ヤダ」

「……」

悪魔は、返事はしなかった。

顔も向けなかった。

でも、差し伸ばした手を握って……。

「げぎゃぎゃぎゃ……。獲物が2匹、好都ご……」

悪魔と私の裏拳が同時にめり込む。

吹っ飛びながら消えていった。

「空気読めないから嫌いです」

「だね」


悪魔の言葉にうなずきながら手を握って歩きだす。

こんなに夕日がきれいに感じるのは久しぶりだった。


「おかえりなさい、悪魔」

「ただいまです、ニンゲン」


ご都合主義?良いんです。

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