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悪魔がウチにおりまして・333

ウチには地蔵がある。

……地蔵!?


家の中にどんとある地蔵。

何事も無く新聞を読んでいる牛。

「ねぇ、これ何?」

「ボクが知ってると思いますー?昨日締め出されてたんでー」

ごめんて。

クモがぐるぐる巻きにしていたせいで牛は家に入ることができず、結局そのままトンボ帰りしていった。

「まさかご飯食べに来たら入れないと思いませんでしたよ?」

そんな恨み節言われても。

「それより今は地蔵でしょ?こんなモノどーんと置かれてるのおかしくない?」

もはや超常現象起き過ぎて地蔵くらいじゃ動じたくないけどね。

「えー?来るの分かってるのに扉封鎖するのもおかしいと思いますけどー」

しつこいんですけどー?

「実際ボク知りません、来たら置いてありました」

ちくちくと嫌味を続けることなく、牛は新聞に目を戻す。

もう少しこの異物に気を回してもいいんじゃないかと。

こういうアホなモノ持ち込む容疑者は2匹。

「モグラー、近くいるー?」

「タヌキです。今イモをふかしていたのですが」

「あとでちょうだい。この地蔵、知らない?」

モグラはじーっと地蔵を見て首を振る。

「ボクの美的感覚には合いません。こう、もう少し曲線がなめらかでないと」

アンタの趣味の話は聞いてません。

「てことは悪魔か」

「時たま、ミミちゃんに対する信頼の無さに驚く時があります」

「日ごろの行いってものがあるでしょう」

「お互いさまって言葉はこっちには無い、と」

割とコイツも遠慮ないよなぁ。

お野菜供給が無ければ出禁でした。

「ただいまですー……ニンゲン?コレなんです?」

「え?悪魔のモノじゃないの」

「ボクの趣味じゃないですねぇ。鋭角さがありません」

モグラと逆のこと言ってるんですが。

容疑者が消えてしまった。

「じゃあ誰の?」

「地蔵って仏系ですよね?てことは……」

そんな話をしているときにクモが畳から出てくる。

部屋に置かれた地蔵に糸をかけると、そのまま背負って持って行こうとする。

「やっぱりクモちゃんですー」

「ねぇ、クモ。それなんでウチに?」

クモの言葉はわからないので悪魔がふんふんと頷いている。

「台風で飛んできたそうです」

んなわけあるか。

「ホントですー。危ないからキャッチして、落ち着いたから返しに行くそうですよー」

……気を付けて持って行くのよー。

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