悪魔がウチにおりまして・328
おや、こんなところに出てきたのかい?
久しぶり。
……まぁ、覚えていない人がほとんどだよね。
ボクは……ネコと言えばわかるかな?
そう、いろいろな都合で出て来れなくなったネコだよ。
そんなボクが今日なんで顔を出しているのかって言うと、理由はない。
もともとボクは本筋に関係ない生き物だからね。
だからのんびり時間を潰すためにお邪魔しているよ。
おそらくこんな風に顔を出していることがあの悪魔にバレたら文句が出るだろうね。
ボクが本筋にガッツリ出てきたら人気投票1位になっちゃうからなぁ。
ボクも気を使っているんだよー。
そろそろ帰れって言われている気もするけど残念、今日は僕しか出てこないよ。
だからのんびりとして行ってもいいし、なんなら読み飛ばしても構わない。
ボクは所詮外の存在だから、深く関われないんだよ。
逆にこうしてこっちに干渉もできる……だから退場した部分もあるんだけど。
存在を呪っても仕方がないけど、今の世界は顔を出さないと居ないも同じだからね。
寂しいけれどね。
おや?そろそろ時間が来たみたいだ。
ボクが再びこの世界に現れる日を願って……。
「なんか邪悪な気配を感じました」
そうめんをすすっていた悪魔の頭に電撃が走って見えた。
「そんなことより七味のフタ、外れてるよ」
「がっでーむ!!」




