悪魔がウチにおりまして・318
『今宵も、恐怖の世界にお連れしましょう』
「きゃー!!」
小動物たちがうるさいぞ?
最近悪魔たちは恐怖配信にハマっている。
コヤツらの方がよほど恐怖存在な気がするのは突っ込んじゃダメなのだろう。
『今夜のテーマはこちら!』
おどろおどろしいナレーションと共に現れた文字。
『悪魔の住まう家』
「ニンゲンー、いつの間に取材受けましたー?」
受けてないっす。
「ニンゲンさん!取材で受けたギャランティは折半と言うことで」
受けてないっての。羊、今後ご飯減らしますよー。
「始まるですー!」
『今回の取材で訪れた家は森の奥に佇む洋館。この洋館はいつのころからか、悪魔の住まう家と呼ばれるようになっていました』
子どもズ、歓声。
『近くに住む人に話を聞いてみましょう』
なんで森の奥にある家に近くの住民がいるんだよ。
『あー、あの屋敷ですか?ダメダメ。オレの母さんがタケノコ取りに行ったら帰ってこなくて。警察に行っても相手してもらえなくて。帰って来れなくても知らないっすよ」
『きゃー!!』
小動物たちが悲鳴を上げているけど、ツッコミどころしかないインタビューだなぁ。
『我々は極秘ルートから、あの洋館から生還した人の話を聞くことができました』
『おぉー!』
『先日出前を届けたんですけど。30人前も頼まれて。いやぁ、重くて。持って行ったらインターホン鳴らしても出なくて。入口のところに「置いておいてください」と書かれてて。良いのかなぁって思いながら置いてきたんですよね』
……生還簡単だな?
「に、ニンゲン!おかしいです!30人前のそばを置いていくなんて!伸びてしまいます!」
大丈夫、おそばの出前は伸びているものです。
『このように命からがら生還した人は我々のインタビューの次の日、店主と喧嘩し店から姿を消したそうです……。これも悪魔の仕業に違いありません!』どーん!
ツッコミません。
『それでは、この悪魔の洋館に乗り込んで……』
『どなたですか?』
『えっ?こんな声仕込んでた?』
『最近ざわざわうるさいと思ったら……私の家で騒がないでもらえます?それとも……あなたたち、私のご飯?』
『う、うわぁぁ!?』
途端、画面が乱れて我先に逃げ出す配信者。
落ちたカメラに向かってにじり寄る陰。
『……これを見てるヒト?遊びで私たちからかわないでね?』
……事故じゃん。
「……あ、けいちゃんだ」
悪魔の身内!?




