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悪魔がウチにおりまして・317

ウチには悪魔がいる。

今日は畳の上でゴロゴロしている悪魔が。


「ミミ殿、今日はサムちゃんと蹴鞠する約束ですよ」

狐は唇を尖らせてサッカーボールを頭の上に掲げている。

「今日、ボクはストライクなのです」

それ、たぶんストライキだよね?

「むぅ、いいのです。クモ殿、いきましょう」

悪魔が動く気配の無さにしびれを切らし、狐は畳の中に入っていった。

「友だちと遊ぶの嫌なくらい疲れてるの?」

悪魔にしたら珍しい行動に少し心配しつつ、キーボードを叩く。

「ですですー。最近、暑くて湿気ててつらいのですー」

寒さにめちゃくちゃ弱いくせに暑さもダメか。

今年の夏は確かにしんどいものなぁ。

「ニンゲンたちはすごいです。この気温は地獄より暑いのです」

昔、スリランカの人に地元より暑いって言われたけど、記録更新してしまった。

そして地獄に遊びに行ったことのある身としては納得してしまう悲しさです。

「ニンゲンー。ボクはもうダメですー」

まるでヘビのようにうねりながら近寄ってくる。

ええい、気持ち悪い。

「ほら、冷凍庫にアイス入ってるから」

「もう食べましたー。効きませんー」

念のため冷凍庫確認する。

大丈夫、食べ尽くされてない。

「そんなにつらいなら氷枕でも作る?」

心配というより、人がテレワークしてるのにこうぐだってられるとやる気が削がれるというもの。

「欲しいですー。作れー」

えっと、外に放り出すのも手段としてありか。

「ミミちゃん、ファールボールと聞きました」

そんな時に畳からモグラが生えてくる。

言葉に突っ込むほど暇ではない。

「ぽんちゃーん。何持ってきたんですー?」

モグラの手には大量のキュウリ。

「キュウリは体温を下げます。食えです」

モグラは寝っ転がっている悪魔の口にキュウリをねじ込んでいる。

「モグラ、遠慮しなさい?」

「タヌキです。ごんちゃんからミミちゃんが熱中症で倒れたから盛大に夏野菜を振舞うように言われました」

あの狐、時々過激派なんだよなぁ。

「むぐむぐ、ぽんちゃん、むしゃむしゃ、おおいです、でかいです」

ちらりと見ると腕ほどもあるキュウリを悪魔の口にねじ込むモグラ。

「おっきく育ったわねぇ」

「ここまで太くするには水加減が難しいのです。種は市販のものです」

このモグラ、野菜育てる才能やばいんだねぇ。


今晩のおかずは野菜尽くし。

悪魔はすっかり回復いたしました。

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