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悪魔がウチにおりまして・307

ウチらは「蜂の巣」にいる。

「ニンゲンー。頭に血が上るですー」

だまらっしゃい。


「さぁ、今日はミミさんの奢りですよー」

『わーい』

バー蜂の巣、狐がオーナーで牛が店長。昨日助けてくれたザリガニが従業員。

ちなみにそのザリガニは腕を吊っております。

「昨日、事故が有ったんすよねぇ」

その目はじろりと悪魔を見上げる。

さっき「血が上る」と言っていたことでわかるように悪魔は今逆さ吊りになってます。

「さすがに血迷ってウチの従業員ケガさせたなら詫び入れてもらいませんと」

牛がヤーさんみたいな物言いになっているが仕方ない。

遭難して助けに来たザリガニをノしたわけだからね。

「ごんちゃーん、助けてー」

「ミミちゃん、反省ちましょ?」

狐、裏切りおった。

普段と呼び方違うから、よほどお冠なんだろうなぁ。

「ミミちゃん逆さのまま食べられます?」

何気に鬼畜なこと言ってるけど、よく友情壊れないなぁ。

「アツアツじゃなければー」

食べるんかい。

悪魔は逆さ吊りのまま、チーズを口に入れられている。

「全く、品良く飲めないのでしょうか?」

羊がワイングラスをくゆらせて喉に流し込む。

なんでコイツ、様になっているんだろう?

「この一滴の至宝を作るまでにさまざまな職人の苦労が詰まってます。この苦労を無駄にしてはいけません。タンクさん、デカンタを」

ザリガニにワインのデカンタを持たせておかわりを要求。

ケガしてる子を働かせないの。

「あー、いいんすよ。どうせオレ痛点ないんで」

とんでもない情報だな!?

「ニンゲンー、知らないのですかー?節足動物は痛みないのですー」

左右にぶらぶら揺れながら悪魔は今度はハムを食べさせてもらっている。

余裕そうだな、コイツ。

もともと私がスマホを落としたことが原因だから、深くツッコミはしませんが。

「ちなみにミミさん、本日のご予算は?」

今日の飲み代が悪魔の奢りならそこはちゃんと把握しておかなければ。

「えっとー。3,700円?」

「近くにサラ金ありますよ?」

この牛、悪魔だ!?


逆さの悪魔がいる。

「ミミちゃん、月1割で貸ちますか?」

この狐もやばかった。

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