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悪魔がウチにおりまして・305

悪魔と一緒にいる。

「カブトムシ獲れましたー」

今の状況わかってる?


「ほらー、メスのカブトムシは珍しいのですよー」

角の無いカブトムシとカナブンの違いが分からないんですが。

「今ソレ捕まえてどうするの?」

「甘いですね、ニンゲン。ちゃんとリリースして自然を守るのです」

そう言うと悪魔はカブトムシを手放した。

「元気に暮らすのですよー、恩返し待ってますからねー」

昨日、鶴の恩返しでも見たのかなぁ。

「どうせなら、今すぐに恩を返してほしいけどね」

切株に座ると、ため息を吐く。

「ニンゲン、そんな強欲でどうします?待てば待つほど複利が膨らむのですよ」

お前の方が強欲じゃないか。

「そうねー。帰る道がわかるなら気長に待てるけどねー」

周囲に取り囲む、木・樹・キ。

要するにここがどこだかわかってません。

「……ドンマイ」

なんでそこで他人事なのよ?

アンタも同じく迷ってるんですけど?

まぁ、迷った原因が悪魔のせいではないからそこまで起こる気にはならないけど。

「こういう時ってスマホで助けを呼ぶのがベタじゃないです?」

「そのスマホが水没したんでしょうが」

そう、きっかけが私がスマホを滑らせ、落ちるのを悪魔が拾おうとしてそのまま落ちたのが原因。

そこからふたりして崖から落ちてそこで帰り道がわからなくなりました。

「そうでした、ニンゲンダメっこです」

コイツに言われるとムカつくな。

年齢考えたらそれくらいなんだろうけどさ。

「ちなみに悪魔のスマホは?」

コヤツも持ってるはずだけど……。

「あー、ゲームしてたら2%でして」

帰り、どうするつもりだったのだろうか。

「一応、電話かけてみる?」

「かけてる最中詰む未来しか見えません」

同感。運が落ちてる今のウチらならそれを引く。

「とりあえず、食べ物持ってる?最悪、野宿だろうから」

悪魔のことだからお菓子くらい持ってそうだけど。

「……さっきのカブトムシ残しておけばよかったですかね」

野生の昆虫食はさすがに嫌かなぁ。

「え?詰んでない?」

「割と詰んでます」

「生き残れると思う?」

「ボクら、殺しても死ななそうじゃないです?」

……。

納得した自分を殴りたくなりました。

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