表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
305/1152

悪魔がウチにおりまして・294

ウチには悪魔がいる。

押入れからマイマイの寝袋を引っ張り出して来た悪魔が。


「みぎー!」

光る閃光、響く轟音。

こんな暑い日に夕立がくれば、そりゃ雷のひとつやふたつ落ちるってものよね。

「か、かみなり、やんだですか?」

アクマイマイから顔を出し、震える悪魔。

「アンタ、雷使うでしょうに」

コイツ、自分で雷ぶっ放すのに、外からの雷弱いってどういうことなのよ。

「ニンゲンもトイレ行くけど、頭からかぶるの嫌でしょ!?」

わかるんだか、わからないんだか反応に困るたとえを出しおって。

「それはそうと。押入れの中の方が静かじゃない?」

「ニンゲンはわかってません。建物の端は危険です、落ちてきます」

こっちの理屈はわかる気がする。

「ミミ殿、震えるのも結構ですが、もう少ち右に。その位置は一番邪魔になります」

そう言いながらアクマイマイを蹴り蹴りして部屋の端に追い込んでいく。

狐、遠慮ないなぁ。

「しかし本当に止まないわね」

さっきからどっしゃんどっしゃん雷が鳴り、雨が降り続ける。

「こちらの天気は安定ちませんね。やはり管理をちっかりしないと」

狐が腕を組んで空を見上げる。

「そういえば狐ちゃんたちって天気操れるの?」

天気雨のことを狐の嫁入りっていうのを思い出して聞いてみる。

「……あー」

狐が眉をひそめてなんだか言いにくそう。

「天気雨って、その時に狐族が見える、霊知の高いニンゲンを連れて帰る生贄回収じゃなかったでしたっけ?」

悪魔が顔を出す。

狐、めっちゃバツが悪そう。

「狐ちゃん?」

「違うのです!ボクたちの種族はヒトさらいなんてちません!」

半分涙目、一人称まで変わっているから相当動揺しているなー。

「それにニンゲンそのもの攫って食べるより、この世で修行してウチに帰依ちてもらったほうが豊かです!」

それってつまり。

「労働力確保、ですねぇ」

畳から半分顔を出した牛。

それだけ言って去っていく。

「兎田殿ー!ボクらの印象がとっても悪くなります!」

そう叫びながら狐は畳の中に消えていった。


ウチには悪魔がいる。

「ニンゲン、ジャーキー食べます?」

「どこに有ったの?」

「マイマイの中に」

「捨てろ」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ