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悪魔がウチにおりまして・291

私は点滴を受けている。

あれ?


見慣れぬ天井、腕から伸びるチューブ、曖昧な記憶。

どうやら私は病院に担ぎ込まれたらしい。

とりあえず、ナースコールを鳴らしてっと。

『どうしましたー』

「どうしました?」

我ながら頭回ってないんだなって思う返事をしてしまう。

『今行きますねー』

のんびりとナースコールを切られてしまう。

たぶん、無事だからだろう。

「宝田さん、おはようございますー」

看護師さんがぱたぱたとかけてきて、点滴の様子を見ながら「大丈夫ですかー」などいろいろやっている。

脈を取られ、熱を測られ。

どうやらプチ脱水症で担ぎ込まれたらしい。

「今の時期、いつの間にか水分失っているから気を付けてくださいねー。スマホ、ずっと鳴ってましたよ」

そっか、人のものだから鳴ってても反応できないのか。

スマホを確認すると未読100。着信20以上。うわお。

ざっとみたらほとんど悪魔。

仕方ない、かけてあげますか。

『ニンゲン!?死ぬですか、死んだですか、化けたですか!?お線香食べるですかー!!』

「生きてます」

少しは落ち着きなさい。線香は食べるものではありません。

「今病院にいるから」

『ニンゲンになにかあったら、ボクどうしたらいいかって、戸籍有りませんし』

えぐえぐ涙ぐみながらそんなこと考えてたのかい。

宿主やどぬち殿、ご無事ですか』

おや、狐。

「ごめんね、今病院」

『ミミちゃんのことはそれがちたちがなだめておきますので。ゆっくり休んでください』

狐は呆れたようにため息交じりの後ろからは悪魔の泣き声がうるさい。

「悪魔、大丈夫?」

『大変でちた。ずっと、ニンゲンニンゲンと喚いてまちて』

遠くから「ごんちゃん黙れですー」と叫んでる。

「そっちじゃ休めなそうだからこっちでゆっくりするね」

『それがよいでしょう』

「狐ちゃん。悪魔にごめんなさいって伝えておいて」

『大丈夫です。スピーカーです』

勢い、通話を切ってしまった。

「宝田さーん、今日はどうします?点滴終わったら帰れますけど」

おかえり、看護師さん。

「……帰ります。枕変わると眠れないので」

「かしこまりました。……お顔、緩んでますよ?」

看護師さんは自分の両ほっぺを指で引き上げている。

「気のせいですよ。痙攣しているだけです」

早く帰ってあげないとうるさいバカがいるからね。

まったく、どうしようもないヤツ。

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