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悪魔がウチにおりまして・290

「ただいまですー」

あ、悪魔が帰ってきた。


「いやー、久しぶりに帰ると全然違いますね。コレお土産です」

ヘビの薄皮饅頭……。

縁起良いんだか、どうなんだろう?

「みんな元気でちたか?」

一緒に来たモグラに尋ねる狐。

やっぱり帰りたかったのね。

「何人かニンゲン堕ちしたらしいです。世知辛いですね」

おい、モグラ。何気に失礼な単語言っているぞ。

「ニンゲン堕ち?」

首を傾げていると、饅頭を開けている悪魔が話に入ってくる。

「自分の力を捨てて、ニンゲンになることですー」

ほう?人魚姫みたいな感じ?

「ですです。寿命もニンゲン基準になるので、いきなりおじいちゃんになっちゃう子もいるんですよねー」

笑ってるけど大事過ぎない?

「大丈夫。ボクは8,000歳ですが、ニンゲン基準アラサーなので」

混ざってくるモグラ。

アラサー……?

あらさぁ!?

「ぽんちゃんは若い方のアラサーなのですー」

「あんたは?」

「いやー、久しぶりに帰ると全然違いますね」

露骨に無視したよ!?

このモグラがアラサーで?しかも悪魔が無視した?

てことはよ?

「もしかして、アンタ、年上?」

そもそも悪魔が年上なのはわかり切っていたことだが、絶対精神年齢は私の方が上だと思って……。

「バレてしまったようですね!ミミ君!」

そんな衝撃を受けている最中、満面の笑みを浮かべた羊が細長い饅頭を咥えている。

「ヤギさん!あなたには別のお土産があったのに!」

「キミが実は結構いい年齢と言うことはバレてしまったのですよ!」

おー、見事に会話が噛み合ってないなー。

「それを言ったらヤギさんはボクの倍生きてるじゃないですかー!」

かー、かー、かー……。

悪魔の声は部屋に響く。

口から饅頭を落とす。

「羊、いい歳なの?」

「言わないでください!!私も、一所懸命生きてるんですからぁ!」

羊、逃走。牛、帰宅。

「なんだか泣いたヤギさんが走っていきましたが、どうしました?」


ウチに悪魔が戻ってきた。

また騒がしい日々が戻るのか。

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