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悪魔がウチにおりまして・283

ウチには悪魔がいる。

なにやら紙を熱心に確認している悪魔が。


「やったのですー!悪魔くじ、3等ですー!」

紙切れを確認している最中に大声で喜びながら飛び跳ねる悪魔。

なんだか物々しい名前を叫んでいた気がするが気にしてはいけない。

「3等?何が当たったの?」

くじというからにはなにか当たったのだろう。

まぁ、お金が当たってもこちらの円とかドルではないだろうが。

「えっとですね、3年間の自由に使っていい時間ですー」

はい?ドユコト?

「羊ー。もしくは牛ー」

「一応役職付きをそう軽々呼ばんで貰えます?」

呼びかけに畳から生えてくる牛。

そっか、羊はこっちの世界で仕事中か。

「ごめんて。悪魔くじって何?」

「謝罪に心が無いのは今更ですね。ミミさん、悪魔くじ買ってたんです?」

牛は説明よりも先に呆れた目を悪魔に向けた。

「3等ですよ、3等ー!」

悪魔、大興奮。

目の色も普段と違くない?

「それはすごい」

「3等程度でそこまで興奮するものなの?」

あまりのテンションに少し心配になってしまう。

「悪魔くじっていうなれば貴族優待券といいますか。当選するとその等級に準じた期間、何してもいいんです。もちろん、犯罪行為はダメですけど」

何をしてもいい。

まったくイメージが付かないなぁ。

「あー、テーマパークの年パスってあるじゃないですか。アレのパーク内ならご飯もタダと思っていただければ」

すげぇな、それは!?

「え?悪魔、3年って言った?3年間タダメシ食い放題?」

「ニンゲン、品が無いのですー。ボクは貴族なのでそんな言動はできませんが」

悪魔、どこから取り出したのか扇子で扇いでいる。

よし、折檻をしましょう。

「しかし、ミミさん大丈夫です?管理職でしょう?」

ヘッドロックを極めれらている悪魔がみぃみぃ鳴きながら返事をする。

「ほら!貴族になったので!しっかりとバカンスを……!」

呆れたように目を細めて見ていた狐が目をカッと開き、ベランダの窓を開ける。

飛んでくる矢文、直撃する悪魔。

大丈夫、先端はゴムの吸盤だったから!

「えっと?『休めると思うな・ソロモン』ですって」

牛の読み上げた、簡略過ぎる手紙。

悪魔は滝のような涙を流すのだった。


ウチには悪魔がいる。

「でも!食べ放題だけでも元を取るのです!」

転んでもタダでは起きない悪魔が。

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