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悪魔がウチにおりまして・282

ウチには悪魔がいる。

タブレットの前で頭を抱えている悪魔が。


「悪魔、どうしたの?」

余りに長時間頭を抱えているものだから、そっとホットココアを差し入れる。

「ニンゲンは悪魔の心が無いのですか。この季節にホットココア?」

アンタが春先に買いまくったココアが余ってるんだよ。

ふぅふぅしながらすすってるから文句を言いながらも気にしてないようだ。

「ブログが、書けないのです」

マグカップを置くと再び頭を抱える。

「ブログ?あの読書感想文?」

そう言えばコイツ、地雷子ちゃんとして人気のブロガーだったっけ。

「その言い方、とってもバカにされているように感じるのですが」

「本好きのアンタにしたら珍しいわね」

抗議はスルー。

しかしこの子の場合本を読めばぽんぽん感想くらいかけそうなのに。

「その読む本が無くて。なんかピン!と来る本が無いのですー」

悪魔はちゃぶ台に身を投げ出してしまう。

「ニンゲンー。何かお勧めの本はありませんか?」

この子の読書感性はわからんからなぁ。

「普段、どんなの読むの?大賞系?」

「なんでもですー」

それ一番返答に困るやつって知ってる?ご飯作る人の身になりなさい?

「『這う魔の手』は?」

「オチが弱いですー」

「じゃー『牛頭と馬目』」

「あの作者、絶対悪魔と交流してます」

「『パラパラ炒飯三段撃ち』」

「斬新な信長像でした」

全部読んでるかぁ。

「こっちの世界に来てからほとんどのお菓子と本は試してしまったので」

本だけじゃなくお菓子というのも悪魔らしいよなぁ。

「おや、おふたり。どうしました」

現れたるは作家の一面もある、羊さん。

「悪魔、読む本が無くてブログ書けないんだって」

「ミミ君、無理してブログ書くこと無いのでは?義務になってしまったらやはり苦しいものですよ?締め切り前とかアルマゲってやろうと思います」

締め切りで人類滅ぼすなー。

「でも、でも。PVが減ると本が買えなくなってしまいます」

本読むお金を感想で稼ぐ、良い循環をお持ちのようで。

「考えてごらんなさいイヤイヤ書いたものをあなたは読みたいですか?」

悪魔は腕を組んだ。そして大きく頷く。

「読みたい!」


ウチには悪魔ズがいる。

羊、悪魔に固く握手求めてる。嬉しい、のかな?

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