悪魔がウチにおりまして・277
ウチにはクモがいる。
最近朝早く出かけていくクモが。
そのことに気付いたのはいつだろうか。
もう3日になる。
なんで気付いたのかはクモは扉を開けないと出られないから。
カギはクモの糸を引っ張りかけて行っているみたい。
密室トリックかな?
で、今日は昨日のうちに示し合わせてみんなで追っかけようって話をしてたってわけ。
「悪魔、狐ちゃん。クモ出てったよ」
「宿主殿、某の準備はできております」
狐は襖の中から旅支度を済ませて出てくる。
風来の狐。
ダンジョンにはおにぎりかな?
「あと3時間……」
対して悪魔は盛大な寝言をほざきやがる。
叩き起こせ!
うぱは飛び蹴りを放った!効果は無いようだ!
「ミミ殿、起きないとクモ殿が行ってちまいます」
「大丈夫。クモちゃんにはGPSを……あれ?」
悪魔がスマホを取り出すと、目をごしごし擦っている。
「どうしたの?」
「クモちゃん、家にいます。ほら!」
悪魔はスマホを向けるとピンがウチの部分に刺さっている。
「……どゆこと?」
狐はスマホをのぞき込むと目を細めてじっと眺めた。
「もちかしたら。クモ殿!」
狐はロフトに向かって声をかける。
すると、目を擦りながらクモが降りてきた。
なんで?
「やはり……」
「狐ちゃん、説明して」
狐は頷く。
「クモ殿がここに居る。そちてウチから出ていったのは間違いない。それはつまり……」
「分体だったのですねー」
狐のセリフを途中から悪魔がかっさらう。
狐、露骨に眉をひそめる。空気読みなさい。
2人の話を聞いてクモは慌ててロフトに上る。
どうやら分体の数を数えているようだ。
クモは顔だけ出してなにか訴えている。
「1体いないそうです!」
まぁ、出ていってるからね。
「ニンゲン、どうします?」
「……追うでしょ」
クモ、めっちゃ慌ててるし。
どうやら事件のようですね。
クモ分体捜索、開始!




