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虚ろな空

メノウたちが逃げ出した直後、支部内は騒然となっていた。

「支部長、良いのですか!すぐにでも追撃部隊を編成して」

年若い隊員は支部長に詰め寄るが、ゆっくりと首を振った。

「今回これだけの被害で済んだのは、気まぐれだ。下手に刺激して逆鱗に触れてみろ。この場所だけじゃ済まんぞ」

隊員は顔を青ざめた。

建物に空いた大穴、この被害が「気まぐれで済んだこと」など到底思えないのだ。

「今するべきは被害確認だ。そして事実の秘匿処理、急げよ」

隊員は敬礼して立ち去る。

納得などしていないことは支部長は百も承知だが、それでも飲んでもらわなければ話にならなかった。

「宝田コハクは除籍。任務時死亡したとしておけ」

コハクの性格を鑑み、今後関わってくることはないと考えていた。

「神獣アビオス、実在したとはな」

誰も聞こえない声で支部長がつぶやく。

眼帯を外す。

何も映らなくなった瞳は空の青さを懐かしんでいた。

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