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悪魔がウチにおりまして・265

ウチには手紙が届く。

蝋留めのされた手紙が。


「お姉、手紙ー」

洗濯物を畳んでいるお姉に手紙を渡すと露骨に嫌そうな顔をした。

「あー、ついに来たかぁ」

手紙を受け取り、ナイフで封を開く。

中身を見るなり火を点ける。待てい。

「せめて、火を使うなら外でやってよ」

「良いじゃない、面倒だし」

会話力が暴落してません?

「さて、荷造りしなきゃ」

立ち上がるとお姉はキャリーを開いて自分の持ち物を集めだした。

「え?出てくの?」

お姉がウチで暮らすようになって10日も経ってない。

「うん、悪魔と暮らしているの、バレちゃった」

言ってる意味がよく分かりませんが。

「ニンゲンさん、たぶんですがお姉さまは私たちがいること内緒にしてたのでは?」

はいい?

「お姉、それホント?」

「普通、悪魔と同居なんて許されると思う?そりゃアンタと暮らすって言ってきたに決まってるでしょ」

なんのかんの言っても悪魔祓いの執行者。

そりゃ祓う対象とちゃぶ台囲むなんてシャレにならんわね。

「理不尽」

「むしろアンタのこの同居が理不尽なの。悪魔族シバきながら一緒に居る人間なんて聞いたことないんだからね」

そりゃそうでしょうけど。

「ニンゲン姉、行っちゃうのですか?」

悪魔はバニラアイスを突きながらつぶらな目を向けた。

「うん。多分もう来れないかなー」

その言葉に悪魔はスプーンを落とした。

後で掃除しなさいね。

「ダメです、ニンゲン姉。また悪魔カレーを作ってくれなきゃダメなのです」

ワニだよ。共食いを要求すな。

「こればっかりはねー。私怒られちゃうし」

怒られるで済まないことは私でもわかる。

しかし悪魔はお姉の裾を掴んで離さない。

ええい、この人たらしめ。

「仕方ない、文句つけに行きますか」

「行きますー」

悪魔に話を振るとふたつ返事で頷いた。

お姉の目が丸くなる。

「冗談にしてはきついよ?」

「この子がワガママ言い始めると、聞かないから」

それなりに一緒に暮らしている、この子の性格はわかっているつもりだ。

お姉は諦めたようにため息を吐いた。

「……そのノリで進んだの、何回目?」

「知らない」

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