表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
247/1140

悪魔がウチにおりまして・238

ウチには悪魔がいる。

少し時間に疎い悪魔が。


「ニンゲン、ここら辺に竹林はないですか?」

悪魔は頭にスリッパを差しながら聞いてきた。

どうした?

「少し歩けばあるけど……」

「ついてきて欲しいのです!ひとりじゃ持てないと思うので!」

スリッパを放り投げると、地雷子ちゃんに変化。

持てない、とは?


やって来ました、近所の竹林。

てか、でか!

「すっごいですね、ニンゲン!」

地雷子ちゃん大興奮。

手にはノコギリとナタ。

刃がむき出し、捕まらなかったことが運が良い。

「ねぇ、まさか竹を持って帰るの?」

「ですです、コレが良いですかねぇ」

手近にあった竹に向かい、ナタを振り上げる。

「待ちなさい!」

悪魔の腕からナタを取り上げるそのまま手だけを振り下ろし、ずっこける。

「ニンゲン、何をするですか」

「この林の持ち主に言わないと泥棒なんだから」

こんなことで警察のご厄介は避けたいものである。

「えー、バレませんよぅ」

「バレるんじゃなぁ」

しれっと混ざるおじいさん。

悪魔の後ろから声をかけ、気付かなかった悪魔はグーパンする。

ナタ取り上げておいてよかった。

しかしじいさん、地雷子ちゃんの拳を受け止める。

「甘いわ、小僧!」

「おじいちゃん、相手女の子」

私のツッコミをスルーして、妙なポーズを極めた。

「儂の目が白いウチはこの竹林、指一本触れさせんわ!」

「おじいちゃん、それ白内障」

なんなのだ、このキャラの濃いじいさん。

「おじいさん、ボクは竹が欲しいのです!一本ください!」

悪魔、そんな今さらな頼み方しても……。

「わかればよい!無断がいけないのじゃ!」

くれたー!?

その後、良い竹を見繕ってもらい、なんなら羊かんまでごちそうになり、竹をいただくのでした。


「ねぇ、悪魔。なんで竹なんか欲しかったの?」

地雷子ちゃんは肩に竹を担ぎながら微笑む。

「だって、願いを吊るせば叶うのでしょう?何を願いますかね」

……はい?

「悪魔、それ来月よ?」

「えっ?」

悪魔は竹を落とす。

未だかつてない、虚無顔を晒しながら。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ