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悪魔がウチにおりまして・229

2泊目のお宿。

牛は抜け出した。


「ちょっと友だちと会ってきます」

牛はそう告げると晩御飯もそこそこに宿から出ていってしまう。

気になる。

ものすごく気になる。

「ねぇ、あく、ま」

変なところで言葉が止まるのは仕方ない。

悪魔が唐草模様のほっかむりを鼻で結わいていたからだ。

「なんでぃ、ニンゲン!オイラのことは悪魔小僧と、むきゅう」

ふう、見なかった。

絞め落としてなんかいません。

「み、ミミ君ー!?」

羊と狐が悪魔をゆさゆさしているが、見えません。

「とりあえずニンゲン、どうしたのですか?」

復活早いな!

どうしたのはこっちのセリフだよ。

「最近、ニンゲンのDVには慣れてきたのです。牛さんが気になるのですか?」

「うん、実はね」

昼間あったことをみんなに話す。

しかし、みんなの反応はそんなに大きくなかった。

「そもそも悪魔と鬼って取引先ですし」

そうなの!?

「ええ。ほら暗い地域に住んでいる者同士、交流あるんですよ」

言い方があまりだけど、確かに?

「牛さん、昔から秘密主義ですから」

悪魔があんみつをつつく。

「ミミ殿、それがちにも!」

狐とクモは悪魔にあんみつをねだる。

ねだる先が違くない?

「あのー。よろしいです?」

お歯黒がおずおす手を上げる。

「お客様の過去が気になるのは分かるのですが」

『ですが?』

「地獄復興のこと、忘れてません、よね?」

『あっ』

全員すっかり忘れていたようである。

「も、もちろん覚えておりましたとも!」

「ニンゲン、忘れてたんじゃないですかー?」

声の震える羊&悪魔。

仕方ない、別にウチら困りませんし。

「このままでは地獄が滅んでしまいますー」

よよよと泣くお歯黒。

「これ、お歯黒。お客様を困らせてはいかんぞ」

シレっとあんみつを運んできた……ダレ?

「えんちゃんは自覚無さすぎです!」

えんちゃんと呼ばれた青年は首を傾げる?

「潰れるも世の流れ、致し方ない」

「つかぬ事をお聞きしますが、お名前は?」

「閻魔だが」

だと思ったよ!?

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