悪魔がウチにおりまして・218
ウチにはチャーハンがある。
……ちょっと、聞いてくれます!?
順を追って説明しますね。
家に帰って来るじゃないですか。
玄関開けるじゃないですか。
目の前にチャーハンですよ。
悪魔が作ってくれてたんじゃないか?
それでもいいのよ、普通のチャーハンならね?
玄関を開けたらチャーハンが有ったのよ?
むしろね、チャーハンしか見えなかったのよ?
みっちり玄関に詰まってるチャーハンよ?
これは、大問題でしょう。
「……なにこれ」
「ニンゲンー。助けてくださいー」
油米の中から悪魔の声が聞こえる。
何があったの、ねぇ、なにしたの。
「増えルンです使ったら埋もれましたー」
なに、そのインスタントカメラみたいな名前のものは。
「お部屋が全部チャーハンで埋まりましたー」
大惨事だな!?
たまたま持っていたカサで米壁をほじくり、どうにか悪魔を救出。
一緒に居たクモも回収。
クモ、子犬のような目で震えて……。
「助かりましたー。さぁ食べましょう」
「とりあえず、土下座!」
悪魔へのカカト落としにこれだけ躊躇しなかったのは初めてかもしれなかった。
「ボクが部屋をチャーハンまみれにしました、ボクが部屋をチャーハンまみれにしました……ニンゲン、手が痛いです」
「あと300枚!」
悪魔に反省文を書かせながら油まみれの部屋を掃除する。
ウーロン茶、偉大。
「ミミ殿。ちゃんと。反省。ちてください。某。怒ってます」
珍しくブチ切れモードの狐。
単語単語で区切っているあたり、私でも声がかけられないレベルです。
「ご、ごんちゃ……」
「お返事。頂けて。ません。」
「ごめんなさ……」
「正式な。謝罪は。『申し訳ございません』です」
「もうしわけ、ございません」
ここに来て舌っ足らずがキャラ付け口調であることが判明。
ツッコめるほど命知らずじゃありません。
クモは必死に迫りくるチャーハンの恐怖を身振り手振りで訴えてくる。
ごめん、分からん。
「……ニンゲン、助けて欲しいのです」
「今、味方がいるとお思い?」
悪魔は再び原稿用紙に戻るのでした。




