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悪魔がウチにおりまして・214

ウチには悪魔がいる。

動物型で、毛に覆われている悪魔たちが。


「ニンゲン、背中を梳かしてほしいのです」

悪魔がブラシを持って足をくいくい引っ張ってくる。

「また?クモに頼みなさい」

私は今夕飯の準備中。

ご飯に毛を入れる訳にはいきません。

「クモちゃんは子どもをあやしていて相手してくれないのですー」

クモ、また分体増やしましたか。

じゃなくて。

「それなら羊でも牛でも呼びなさい。お互いにやればいいでしょう」

そう、最近急に暑くなったことにより、ウチの動物型たちは一気に換毛期に入った。

要するに、毛がめっちゃ抜ける。

部屋が汚れる。

コロコロの消費量が冗談ではないのです。

「悪魔、ご飯作るの終わったからやってあげる」

畳でゴロゴロして背中を擦っていた悪魔を止めて、ブラシで背中を梳かす。

ひと撫でするだけで抜ける抜ける。

これだけの毛が抜けるのは由々しき事態です。

毎回掃除機をかければいい?

賃貸の畳をそんな頻繁に掃除機をかけてごらんなさい。

引っ越すときにどれだけ敷金持っていかれることか。

悪魔が毛をまき散らすのは万歩譲ってまぁいい。

羊までここで毛を整えるのはギルティでしょう。

ちなみに狐と牛はきちんと整えてからウチに来ます。偉い。

「……みなさん、毛が抜けて大変なんですね」

出たな、もう一匹の四つ脚。

モグラが畳から顔を出す。

「今日の晩御飯は生姜焼きですね。ニンゲンさん、さすがの腕前……いい香りです」

鼻をひくひくさせながら晩御飯のメニューを当ててくる。

「モグラ、この子たちの毛を抜けるの止める食べ物ない?」

「タヌキです。それは、すでに怪しい薬です」

非常識なモグラに常識的なツッコミを入れられてしまった。

「ニンゲンさん。素直に孫の手でよくないですか」

「……そっか」


モグラに指摘された次の日、百均に孫の手を買いに行く。

悪魔と羊、牛を引き連れて各々に選ばせることにした。

「ごんちゃんはこの竹のにしましょう」

変化できない狐の分は悪魔が選んだ。

各々、自分の孫の手を管理し、きちんと新聞を広げて毛づくろいすることで散らばることだけは避けることができた。

「でも、この量かぁ」

結局、抜ける毛が減るわけでも無い。

うず高く積まれた4匹分の毛はどうしましょう。

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