表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
220/1153

悪魔がウチにおりまして・212

ウチには悪魔がいる。

食い意地の張っている悪魔が。


「ニンゲン!お米の量が少ないのです!」

悪魔が珍しくご飯を作っていると、米びつを持って文句を言っている。

「ほら!もう2合もありません!こんなになんで減ってるんですか!」

アンタが大飯食らいだからでしょ!と言いたいところだけど、確かに先週15キロ買ったのにもうそれだけしかないのは確かにおかしい。

「最近、一回の食事で7合炊いているけど、減りが早いよね」

「……7合も炊いていたんですか?」

目を丸くする悪魔。

アンタ自分が3合食べてること忘れてない?

「私たちは1合も炊けば足りるの」

「それにしてもなんでこんなに」

露骨に目を逸らしている悪魔だが、食費がウチの家計を直撃している以上、原因は突き止めなければならない。

「お困りですか」

牛が顔を出し、頭には帽子、口にはパイプ。

ハードボイルドファッションに身を包んでいるということは、自分で犯人調べたいってことで良いの?

「水臭い。お困りならばこの私の4つの胃に頼ってくれても良いものを」

事件解決に全く役に立たない物を自慢されましても。

「牛さん、お米がたくさん無くなっているのです。変なのです」

「伺いましょう」

悪魔と牛はいろいろ話し合っている。

クモが降りてきて首を傾げた。

「クモ、お米食べてないよね」

もちろんのようにこくりと頷いた。

この子が勝手に食事を食べている光景など想像できない。

一番勝手に食ってそうなヤツが今一番騒いでいますし。

「なんか理不尽なこと考えてるヒトがいる気がします」

「気のせいだよー」

勘のいい悪魔は嫌いだよ。

「で、結論出たのー?」

牛は申し訳なさそうな顔をしている。

「えーっと……非常に申しあげにくいのですが。すべて正式に食べてます」

はい?15キロですよ?

「1合は150グラム。10合で1.5キロです。1日最低14合炊いていて1週間。98合。残り2合でぴったりなんです」

一同、目が点。


「おやおや、皆さん固まってどうしたのですか?」

「これからご飯減らします!」

「やぎー!?」

相変わらずいいタイミングで入ってくる羊であった。

このために1合計りました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ