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悪魔がウチにおりまして・21

ウチには天使が居た。

なんでいるんだよ。


「人の仔。頼みごとがある」

「帰ってください」

人が会社から帰ると仁王立ちした天使が玄関で待っていた。

「そうか、我が同胞を預かってくれるのだな」

「話聞いてない?」

割と天使の評価、だだ下がりなのだが?

「実はな、説明は省くが少々戦争をしなくてはいけなくなってな。幼子を置いておくわけにはいかなくなった」

いきなり物騒な言葉を放り込んでくる天使に対して協力する気持ちが起きないのはきっと今までの積み重ねだろう。

「すまないが、この3つを明日まで預かってほしい」

「ララです」「リリです」「ルルです」

天使の後ろから3人の可愛い天使が現れる。

「ではな、明日までにひとつ滅ぼしてくる」

『いってらっしゃーい』

剣呑なことを言って天使は消えてしまった。

うん、シャレにならん。

「初めまして、ミミですー」

様子を見守っていた悪魔がぺこりと頭を下げた。

『はーい』

…ちょっと待て。

アンタ名前あったのか。


悪魔と3人の天使、クモを加えた5人外は毛糸キャッチボールで遊んでいる。

天使たちの見た目は全く一緒で入り乱れてしまったため見分けがつかない。

「リリさん、こうやって弾くとまっすぐ飛びますよー。ララさん、上手ですねー。ルルさん、持ったらダメですー」

悪魔は3人を見てひとりひとりに声をかける。

「アンタ見分け付くんだ?すごいね」

「これくらい当たり前なのです」

胸を逸らす悪魔に感心しながら、天使に呼びかける。

「ララちゃん?あなたが一番お姉さん?」

「違うよー」

天使って兄弟の概念はないのかも知れない。

そんな風に納得していると天使から言葉が返ってくる。

「私ルルー。あっちがララであの子がリリ」

なんと悪魔が呼んでいた名前はすべて違っていた。

「私たち同じ型だから」「見分けられたことないんだー」「だから気にしないで」

そんなことを言われながら幼子3人によしよしされる悪魔。

なぜかクモも悪魔を撫でている。

まぁ、全く同じなら仕方ないよ。


ウチには悪魔がいる。

恥ずかしさから、少し泣きそうになっている悪魔が。

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