表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
219/1142

悪魔がウチにおりまして・211

今、のんびりとお酒を飲んでいる。

悪魔は隣に座っている。


ゴールデンウィークも終わり、仕事に戻った。

長い休みの後は仕事が溜まっているもので、片付けていたら少し遅くなってしまった。

「ニンゲン、遅かったですね。先に頂いてます」

ウチに帰ると、悪魔がひとりでご飯を食べていた。

「あれ、みんなは?」

「えっとー。クモちゃんは免許更新で、ごんちゃんはこの前の修行の認定証貰いに。ヤギさんは神ちゃんとでかけて、牛さんはわかりません」

最後だけ雑じゃなかった?

まぁいいか。この子と2人の晩御飯。

なんだか久しぶりな気がする。

「ニンゲン、腐り豆の残りがありません。今度買っておいてください」

「いい加減、納豆と覚えなさい」

悪魔は首を傾げながら納豆をねりねりするのだった。


晩御飯も終わり。

縁側に出ると、月が綺麗である。

「ニンゲン、飲みます?」

私が座っていると、悪魔が缶ビールを2本持ってやってきた。

「ありがと。月見って秋だけだと思ってたけどね」

「ニンゲンは不思議なことを言います。月はいつでもあるのに」

ふたりで月を見ながらビールを傾ける。

「あんたってこっちにいて不便じゃないの?」

気になって尋ねると悪魔はぐびりとビールを飲む。

「なんでです?」

「ほら、結構距離あるし」

悪魔は一応あっちで働いてるわけだし。

「んー。確かに時間かかりますが。慣れれば平気、住めば都です」

そっか。

意外と気に入ってるのか。


そのままのんびりとビールを飲む。

ひとつ、ふたつと缶が増える。

取り留めない、今までの思い出と肴に酒は進む。

「ニンゲン」

「なぁに、悪魔」

そこから無言になる。

ただ月が綺麗。

それでいいじゃないか。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ