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悪魔がウチにおりまして・200

ウチにはモグラがいる。

またコイツは人の台所占拠して。


「ボクはタヌキです。いい加減覚えてください」

こちらからしてみたらいい加減認めてくださいなんだよなぁ。

「で、モグラ。今日は何を作りたいの?」

「……今日は良質なむね肉と大葉があります」

確かに、目の前には”巨大な”大葉とむね肉が置いてある。

「コレ、なんのむね肉?」

大葉はギリ許した。

「ニワトリです」

ウソを吐け。

「この食材を使ったいい料理、知りません?」

こっちの意見を無視するのはいつものことかいな。

「ねぇ、アンタのところ梅干は無いの?」

「うめぼし」

梅干知らないかぁ。

「梅の実を塩漬けにして……」

モグラはメモを取りながら頷いている。

「なるほど、さわやかと酸味のこらぼれぃしょん……」

妙に発音良かったな、コイツ。

「ふむ、そんなものがあるんですね。作ってきます」

言うが早い、モグラは畳の中に入っていってしまう。

「ちょっと?梅干、そんな早くは……」

「できました。味見を」

おかしいだろ、その早さ。

しかしモグラの持ってきた梅干はぱっと見、お店で売っている梅干と変わらない。

「塩は多めです。甘い梅干など認めません」

なんか恨みでもあるかの如く、強い言葉で甘い梅干を否定した。

「いただきます……しょっぱ」

言葉の通り、甘さは一切なく塩分ゴリゴリ、一粒でご飯3杯いけそうなしょっぱさがある。

おばあちゃんの梅干、また食べたいなぁ……。

「その反応を見ると、良い出来のようです。して、コレをどのように使うのです?」

モグラの目的はむね肉調理、私は忘れていた。

「この梅を裏ごしして……」

モグラの目の前でジャンボむね肉を切り分け、梅干を潰し、大葉と一緒に巻く。

「これで焼くのですね」

モグラは途中梅干をついばみながら私の脇でメモをする。

食うな、梅干。

「なるほど。料理は奥深い」

納得したようにうなずいてちゃぶ台を取り出し始めた。

……食べていくのね。


ウチにはモグラがいる。

意外と勉強熱心なモグラが。

「ニンゲン!この肉、腐ってます!」

ここにも梅干知らないの居たかー。

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