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悪魔がウチにおりまして・199

宴会は終わり、日が過ぎる。

なんか羊が訪ねてきた。


「ニンゲンさん、ちょっとよろしいですか。できれば、外で」

神妙な顔で食事に誘ってくる羊。

嫌な予感はしませんが、警戒はしておきましょう。


羊はイケメンになって連れて行ったのは近所のイタリアンファミレス。

よし、なんとなく羊だ。

「お好きなものを頼んでいいです。奢ります」

「このリブステーキと」

「遠慮を」

やっぱり羊だ。

まずはお腹を満たし、黙っている羊を置いて帰ろうと。

「食べたんで話くらい聞いてくださいよ」

逃がしちゃくれませんでした。

「なんとなく察してますけど」

羊に尋ねると、無言で頷いた。

「ええ、実は恋愛についての悩みでして」

「さすがに気付いてます?」

「そこまで鈍感なつもりはありません」

羊曰く。

核心を持ったのは1週間前。

嫌がらせにしたら自分の好きな物ばかり。

しかも送られてくるタイミングは神ちゃんと一緒に居た時。

送り主はわかった。

しかし。

「私は想いにどう応えたらいいのか」

「え、付き合っちゃえば?」

羊は静かに首を振る。

「それはいけません。立場というものがあります」

羊がそのようなことを考えているなんて意外であった。

「本来神と悪魔はお互い違う役割を果たす者。表面上仲良くしていては、支障をきたします。そのため彼女の想いを受け取っていいものか」

珍しく、本当に珍しく羊が大人に見えた。

「ドリンクバー、何にする?」

「メロンソーダをお願いします」

こういうところは子どもなんだなぁ。

ドリンクを持ち帰ると羊はアスパラをフォークで転がしている。

その行動を遠くから見ていて、どうもすっきりしているようには見えなかった。

「ん」

「ありがとうございます」

「……自分の好きにしたら?ごち」

それだけ言うと、私は帰ることにした。

後ろからデカンタワインを頼む声がする。

たくさん飲んで、たくさん悩みなさい。


レストランには羊1人。

見つめ直す時間も必要でしょう。

一度はリブステーキ食べてみたいものです。

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