悪魔がウチにおりまして・197
まだ続いとんのかい。
ウチではまだまだ恋愛会議という名の飲み会が。
「ただいま戻りまちた。この香りはお好み焼きですか」
狐が鼻をすんすん鳴らす。
「ごめん、食べたかった?えび入れちゃった」
この子確かえびアレルギーだったはず。
「ご心配なく。ちゃんと某の分は買ってきまちた」
見ると手にはコンビニのビニール袋。
入ったのか、コンビニに。
「ごんちゃん、何を買った、おぶぅ」
「ごんちゃ、どう!?上手くいった!?」
駆け寄る悪魔、後ろから突き飛ばす神。
すっとんでいく悪魔をクモが糸でキャッチする。
ガラス方向だった、シャレにならん。
「手は尽くちました」
狐、それは失敗する前の保険で言うやつよ?
しかし神ちゃんはその言葉を聞いて胸を撫で下ろす。
「よかったぁ……」
神ちゃんの反応に狐も安心してレンジにマーボー丼を入れる。
そのチョイス、なんかこう裏切られた感じするのは気のせい?
「しかし、すーさんも恋下手ですねぇ。もしかして箱入り?」
既に横になり日曜日の昼下がりの風体となった牛はまだ飲んでいるビールを片手にかなり無礼ギリギリのことを言った。
「仕方ないでしょー。パパが厳しいって言うか子離れできてないんだしー」
神のパパって言うとあれですか?
割とダメダメな主神さん?
「そのくせ見る目は有りますよね。ヤギさん、ああ見えて悪魔格者ですし」
……。あ、そういう意味ね。
理解が少し遅れたわ。
「でしょー?絶対やっぎー良い子だと思ったんだよねー」
「良い子?神ちゃんおいくつ?」
その言い方ってそういうことだよね?
「えっとー。万超えたら数えてない」
「……神ちゃん、そんなに年上だったのですか!?」
悪魔が目を丸くする。
なんでアンタが驚くのさ。
「いやー、てっきり同じくらいかと……倍も生きてるんですね」
むしろ悪魔、5,000越えてるんかい。
「宿主殿、年齢など数字でしかありません。たとえ赤子にも至らぬ年でも気にちなくていいですよ」
狐から妙な慰められ方をしている。
「という事は、私ピチピチ?」
お姉、それを言った時点で。
「メノ?アンタも同い年ってこと忘れないように」
相変わらず勘がいいことで。
酒宴は深まっていく。
皆泊まる雰囲気なのですが?




