表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
198/1140

魔界の揺らぐ夜

魔界。

悪魔たちが住まう(本来)ニンゲンは足を踏み入れることが適わぬ地。

いつも通りソロモンが執務室で書類に目を通していると、無遠慮に扉が開いた。

「ノックくらいしたらどうだね、堕落の」

「ボクの脚で扉を叩く方が無礼かと思ってね、ソロモン卿」

目の前にいきなり現れたサビネコにソロモンは背中に汗を流す。

キチンと扉を開けている以上、即敵対の意志は無いにしろ気を抜けない状況に変わりはない。

「ボクがここに来た意味、分かるよね?」

「腹の探り合いをする気はないという事か」

「うん、ボク結構怒ってる。”タダの”ニンゲンを巻き込むなよ」

タダのを強調するように言うネコ。

部屋の温度が一気に下がる。

「巻き込んでいないよ、堕落。むしろ巻き込まれないように配慮していると言って良い」

「スパイなんかを用意しておいて?それは白々しいんじゃないかな?」

「スパイ?あぁ、あの子たちか。キミの目も怒りの前では曇るんだね」

ソロモンは腕を組んで口の前に添える。

「どういう意味だい?」

「もし、もしだ。仮にニンゲンを監視する目的で誰か派遣するとしよう。兎田含め適任かな?」

ソロモンの言葉に、ネコは目を丸くする。

「……絶対、別の者を選ぶね」

「だろう」

張り詰めていた緊張した空気が一気に緩む。

「ならなぜ?あんな出力の高い者を3体も配置していたら、特別と謳うようなものだろう?」

「あの3体がいるだけで牽制になるだろう?アレが守っているというのに攻め入るのはよほどの痴れ者だろう」

ソロモンはあえて言わない。

あの3体を物ともしないほどの実力者である可能性に。

「結構。それなりの配慮しているんだね。ところで当人は知っているのかな?」

「知っているわけないだろう?あの粗忽さを考えたらいつボロを出すか」

「ソロモン卿、キミも苦労しているんだね」

「今回、キミの手を煩わせた件はそれなりに対処しておくよ」



「に、ニンゲン!なぜか減俸処分が下ったのですが!?」

「知らんわ」

ミミがスパイではないというために絶対必要な話でした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ