表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
192/1144

悪魔がウチにおりまして・187

私は布団の中に居る。

筋肉痛で出られないのだよ!


宿主やどぬち殿も、見境というものを覚えていただきたく。カエル退治に出かけて、筋肉痛だけで済んでいるのは奇跡ですよ?」

狐は私の背中に軟膏をぬりぬりしながらため息を吐く。

私だってあんなに大きいって知っていたら行かなかったもん!

「こちらの世界の常識じょうちきと異なるのはっているでしょう。まちてや魔界。興味本位では命がいくつあっても足りません」

ぺしん!と軟膏がズレないように湿布する。

心なしか、力強いのは気のせいではないだろう。

「反省してます」

「言葉だけは受け取っておきます。どうせ面白おもちろそうなことがあったら、あつもの喉元でしょうから」

なんか、お母さんみたいな理解をしてくる。

布団に突っ伏している時点で何も言えないけど。

「ねぇねぇ、狐ちゃん。興味ついでに」

「まっっったく懲りていない精神せいちん少ち尊敬ちます」

狐、呆れる。

だって今聞ける子狐しかいないんだもの。

「悪魔がカエル退治するとき、槍の柄で雷落としてたんだけど。アレって槍のままだとダメだったの?」

ふむ、と狐は正座をする。

「ミミ殿に限らず、それがちたちにとって武器というものは基本的に自らの力を抑えるためのもの。おそらくですが矢じりの部分がその役割だったのでしょう」

武器で、抑える?

「カエル狩りの時、力抑えて戦ってたの?なんで?」

それなら私はこんな痛い思いしていないというのに。

「過ぎたる力は身を滅ぼちます。実際カエルが跡形も残っていなかったでしょう?」

確かに、雷を落とした後の焼け野原。

冷静に考えたらゾッとするはなしだよね。

「悪魔の本気って、恐ろしいわね」

思わずつぶやいた言葉に狐は首を傾げる。

宿主やどぬち殿、ミミ殿は本気など出していませんよ?もち本気だったら兎田殿諸共こちらに帰ってきていないでしょう」

なかなか笑えないんですが。

宿主やどぬち殿、本来我らはヒトと慣れ合う存在ではないのです。ミミ殿だけではなくそれがちも。なので我らにそれなりの敬意を……」

「なら狐ちゃんのご飯減らしていい?」

狐は押し黙る。

腕を組む。

敷居ちきいが低いことも大切でしょう」

締まらないんだよなぁ。


ウチには人外がいる。

でも、忠告通り距離感は考えよう。

簡単に滅ぼすだけの力があるのだから。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ