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悪魔がウチにおりまして・177

「ぽん君から届けられたナス、それはやる気を無くしてしまうナスだった!

なぜか難を逃れたニンゲンさんはグダグダになったミミ君を救うため、単身ぽん君の農場に乗り込むので……」

「アンタがいるでしょう」

さっきから大きな独り言のうるさい羊にチョップを入れると半泣きになっている。

「こういう劇的効果を高めるのは特撮では必要だと思うのです」

「現実でしょうが」

羊の悪乗りに付き合っていて、悪魔が衰弱したらどうするんだ。

「あれ、ヤギさん、ニンゲンさん。どうしました」

そんな阿呆をやっているとモグラの農場に着いた。

麦わら帽子、サロペット。

クワなんかも携えて首に垂らした手ぬぐいで汗をぬぐっている。

「ぽん君、キミはやってはならないことをしました……」

「え、納品間違ってました?」

「いえ、いつも早急なご対応してもらって、とても助かってます」

キメていた羊が急にへりくだる。

グダグダなのはアンタもじゃないか。

「ほら、ナス、ナス」

「そうです!コレを見なさい!」

羊は毛の中からナスのヘタを取り出した。

えっと、ゴミ箱に入っていたんですよ?

「このやる気ナス、ミミ君たちに食べさせてやる気を削いだこと、どう言い逃れするつもりですか!」

びしっとヒヅメを突きつける羊。

モグラは首を傾げる。

「えっと、アク抜きしました?」

『あくぬき』

思わずハモってしまう。

「ヘタ切って2時間水に浸すだけなんですが」

「ニンゲンさんしました?」

「してない」

私の言葉を聞いてモグラが目を丸くする。

「ミミちゃんに伝えたのに……やる気ナス、アク抜きしっかりするとあり得ナスという美味しいナスに変化するので上げたのに」

今度はこっちが目を丸くする番だよ。

「えっと、モグ。やる気無くしてるアイツどうすれば治る?」

「お風呂に浸けてください。熱めがいいそうです」

羊と顔を見合わせる。

「どうすんの、この空気」

「あの、えっと……。これからもよろしくお願いします」

モグラに頭を下げる羊。

相変わらず平和だなぁ。


ウチには悪魔がいる。

風呂から出たらひたすらに反省文を書かされている悪魔が。

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