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悪魔がウチにおりまして・171

ウチには天使がいる。

なんか少しやさぐれてません?


「人の仔、酒に付き合え」

唐突に現れて、唐突にそんなことを言う。

付き合わずとも飲む気のようで肩に樽を担いでいる。

思っている以上に力有ったんだなぁ。

「どうしたの、私に愚痴る距離感じゃないでしょうに」

そういうのは同僚とかせめて悪魔とかにしなさいよ。

「一番常識がありそうで、事情を知っているのがお前だという事だ、人の仔」

なんとなく察し。

「神ちゃんのこと?」

「さて、つまみは何がいい?出すぞ」

えっと、お疲れ様です。

持ってきた樽はウイスキー。

私は家に有ったコーラ割り、天使はストレートで飲んでいく。

「しかし、こんなややこしい状況、誰が予想できたというのだ」

「私からしたら、神があんなギャルであることに驚いてるんだけど」

「我が主は末娘でな、自由に育ったがために奔放になられた。そのことを私が口を出すことも憚られる」

あー、上下関係厳しそうだからなぁ。

「で、羊との進展は?」

「知らん。興味もない」

ロックグラスを傾けてストレートを流し込む。

「その上で責務もしっかりと果たされている。何の問題もない」

なるほどねー。

文句言える立場じゃないし、文句を言えるようなサボりもしていない。

要するに天使の気持ちの問題だからこうして愚痴りたい、と。

「アンタもなかなか苦労性ねぇ」

「お前よりはマシだろう。普通人の仔がこれだけの者たちと暮らしていたら当てられてもおかしくはないのだ……お前も人外だったな」

そこそこ無礼なんですけどー?

「だいたい、アンタらがしっかり管理しないから悪魔がのさばるんでしょうが」

天使は首を傾げる。

「管理局のことか?悪魔たちはしっかりと仕事をこなしている。我が主と同じだろう」

「どゆこと?悪魔と天使が仲悪いから羊と神ちゃんが付き合ってるの嫌なんじゃないの?」

勝手に付き合っていることにしたけど、絶対そこまで進んでないんだろうなぁ。

「種族として悪魔を嫌っていたらチェス相手にこやつを選ばんだろう」

「ごもっとも。ならなんで?」

天使は真顔でウイスキーを流し込む。

「オレは、ヤツが嫌いだ」


ウチには天使がいる。

私が噴き出したことを苦々し気に見ている天使が。

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