悪魔がウチにおりまして・166
ウチには
「お邪魔しまーす!」
神が来た。
そんなホイホイ神様が座を空けていいのだろうか。
心配していることが目から伝わったのか、神ちゃん(仮)はサムズアップする。
「天使置いてきた!」
可哀そうに……。
「で、神さま。なんで来たの?」
だいたい予想はついてますが確認は大切。
「えっとぉ、羊さんのことを教えて欲しいというかぁ」
中空にののじ書きながら頬を赤らめるギャル神。
うん、これからギャル子ちゃんと呼ぶことにしよう。
「なんかとっても無礼な気配、ぴきーん」
手の中で高温の何かを作りながら怒りマークを浮かばせる。
分かった、この子ギャグの生き物だ。
「あれ、神ちゃん?お父さんに怒られません?」
地雷子ちゃん、帰宅。
部屋の女子力の高さよ。
「悪魔、かくかくしかじか」
「あの、それ本当に言うヒト初めてみたのですが」
地雷子、引く。わかりやすく引く。
「ねぇ、この人の仔大丈夫?燃やす?」
いきなり命の危険とは頂けませんなぁ。
「このニンゲンは強いのです。怨霊とかもカカト落としなのです」
昔の事故を言うんじゃない。
「この子、羊のこと気になるんだって」
「冗談じゃないわよ!?あんなもこもこでふわふわなお兄様のことなんか気にならないわよ!」
顔を真っ赤にしながら両腕をぶんぶん振り回すギャル子。
分かりやすいというか、古いというか。
しかし、人型で行ったのにもこもこに見えてたのかー。
「ヤギさんですか?」
「ヤギ様!凛々し……なんで?」
お、正気に戻った。
「羊よね?名前ヤギ?あれぇ?」
ギャルこは こんらん している!
「そこ突っ込んではダメなのですー。みんな我慢してるんですー」
お前も我慢してたのかい。
「名前はどうでも良いわ!ヤギ…様が好きな物、何か知らない?」
がんばった、飲み込んだね。
しかし、羊の好きな物、好きな物ねぇ……。
「ヤギさん、ココアとか好きですよー」
「ココア!そんなもので良いのね!」
言うが早い、ギャル子ちゃんはシュッと消えてしまった。
「悪魔、たぶんあんた、やったよ」
「ボクもそんな気がします」
悪魔が両の手を合わせる。
悪魔の合掌なんて、なかなか見れるものじゃないよね。
「あの、ウチがココアに埋まったのですが……」
ウチに羊が逃げてきた。
逆効果にも過ぎるでしょうよ。




