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悪魔がウチにおりまして・161

ウチには悪魔が来る。

「ヒトのこと悪魔呼ばわり?」


お姉がお土産を手にやってきた。

アメリカンなドーナツ。

頬張ると甘さというよりも顆粒が印象与えてくるタイプのヤツ。

「よくこんな甘いものを……」

「あっちじゃコレしかなくて。さすがに生クリームジャリジャリしているのは私でもちょっとねー」

それには同意。

「あー、ニンゲン姉ー。今日はどうしましたー?」

「悪魔ちゃーん、ほら、エサだぞぉ?」

「わーい」

悪魔、プライドないんか。

宿主やどぬち姉殿、さすがにコレは口にするべきとは……」

狐も寄ってきて砂糖を……じゃなかった、ドーナツをひと口。

眉間にシワを寄せて悪魔に渡す。

「さすがに健全な子には強いよねぇ。悪魔ちゃん、全部良いよー」

クモとうぱ?

既に試して首横に振ってますよ。

「こんなに美味しいのに……。ヤギさん好きそうですが」

羊が?

こんな甘いのを?

「ほら、ココア党・党首ですから」

お前にココア勧めたのはあやつか。

「この子たちも俗世間に染まったわねぇ」

「その言い方、以前のこの子知ってるみたいだけど?」

お姉が首を傾げながらドーナツをつまむ。

全部いいと言いながら食べるのか。

「ほえ?ニンゲンなら誰でも一度は見たことあるわよ?」

「やめてくださいよー。ボクばかりじゃないんですからー」

悪魔は照れたように頭を掻いている。

「えっとー。コレとか?」

お姉はスマホを取り出し、ある作品の悪魔の絵を見せる。

「コレ、モデルこの子」

ウソでしょ?

「昔、夢に出たときに覚えられちゃってー」

「ニンゲン姉!私の!私のも見せて差し上げて!」

「えー」

生えてきた羊に対して面倒くさそうにスワイプ。

「コレ?」

そこに映っていたのは凛々しくも人に罰を与える彫像があった。

「……こんな凛々しくなくない?」

「ヒドイ!」

羊はうつむきながらドーナツを食べているの、丸見えだからね。

「この子たち、思っている以上に畏れられていたのよ?」

お姉がスマホを見ながらつぶやくので思わず口からこぼれてしまう。

「祓う?」

『ヒエッ』

いや、ごめんて、冗談だから。


ウチには悪魔がいる。

ドーナツをかかえて抱き合っている悪魔ズが。

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