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悪魔がウチにおりまして・159

ウチには悪魔がいる。

バレンタインにおはぎをくれた悪魔が。


文化的に知らなかったものとはいえ、きちんとバレンタインにお菓子をくれた以上、お返しをせねばなるまい。

とはいうものの、秘密にしておくことは無理だろう。

一緒に暮らしているし、作ったらバレバレである。

買ってくるのも良いけど……。

「悪魔、甘いもので何か食べたいものある?」

いっそ本人に聞いてしまったほうが角が立たないだろう。

「甘納豆というものを食べてみたいのですが」

……それでいいならいいんだけど、たぶんアンタが想像しているようなものは出てこないよ?

「ホワイトデーのお返しにお菓子あげるから。どこかに買いにいこっか」

「はーい」

返事をすると地雷子ちゃんに変化している悪魔。

もはや隠れることもしなくなりましたね。

「コンビニでも……」

「捕まるから嫌です」

いつも絡まれていた挙句、この前強盗に捕まった悪魔はしっかりとコンビニ恐怖症になっていた。

分からないわけでもない。

「それなら、せっかくだしモール行きましょうか。特設あるかもだし」

なにより、ホワイトデー当日。

売り切れては困るから割引になっているかもしれないからね。

「ニンゲン、邪悪なオーラ放ってます」

おっといけない。

でも、節約できるところは節約なのだ。


徒歩15分。

なぜ徒歩かって言うのは、悪魔が自転車に乗れないからです。

「ほえぇ……」

悪魔が特設コーナーのショーウインドウにへばりつく。

色とりどりのマシュマロ、キャンディ、クッキー。

「ニンゲン、全部は」

「ダメに決まっているでしょう」

しょぼくれながら悪魔はこんぺいとうをセレクト。

相変わらず渋い。


会計をすませ、帰り道。

「なんでこんぺいとう?悪魔、なんとなくマシュマロかと思った」

「ボクも気になりましたけど。クモちゃんとか苦手かなって」

あー、分ける前提で選んでたのか。

「それなら、もう一個買ってあげたのに」

「んー、またの機会に。食べ切ったらお願いします」


ウチには悪魔がいる。

「ニンゲン、明日はマシュマロを」

「明日はもう特設終わってるよ」

甘いものは掃除機並みの吸引力の悪魔が。

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