悪魔がウチにおりまして・155
うちにはうぱがいる。
のんびり観察していると飽きないうぱが。
朝、布団の中で休日の惰眠をむさぼっていると、ひょっこり布団の中に潜り込んでくるうぱ。
潜ってくるといっても、こちらから触れられるわけも無し。
せいぜい隣にいることがわかる程度なのだが。
せっかくなのでのんびりうぱを見ている。
すると恥ずかしそうに顔を隠す。
どうリアクションしたら良いのやら。
見た目、二足歩行ウーパールーパー。
背中にトンボを思わせる羽。
飛んでいるものの、この子に重力が作用しているとは思えない。
つい羽を触る。
ぷにぷにである。
なんだ、この感触……というか普通に触れるのか。
一度触ると驚いたように羽を隠す。
しかしうぱよ、羽は反対にも付いているのだよ。
隠した側と反対の羽を突く。
するとネコのミミのようにパタンと折りたたむ。
器用な。
ちょっとどや顔のうぱ。
小癪!
左右から手を伸ばすと避けられないとばかりに上に逃げる。
そのまま私の頭に乗っかり、お返しとばかりに私の耳を引っ張る。
やめなさい、確かに嫌だわ。
頭の上に乗ったうぱは意外と器用に身を捻る。
見えないので髪を引く感覚で手を伸ばすも右へ左へ私の手を躱していく。
額から頭を撫でるようにするもおそらくジャンプして躱して来た。
やるな、ピンクの。
うぱとの攻防で30分の時間が過ぎると諦めて布団から這い出る。
髪の毛は当然ぼさぼさ。
休みとはいえ、このままはあまりに身だしなみが悪過ぎる。
洗面台に向かってブラシで髪を梳かす。
うぱがついてきて、自分も梳かしてほしいとアピールしてくる。
……どこを?
うぱは背中のヒレを指している。
梳かしてもいいのだが、皮膚傷付かないのだろうか。
心配になったので新品の歯ブラシを下ろして背中を撫でてあげる。
あ、気持ちよさそう。
柔らかく歯ブラシで撫でているとそれに合わせて背中を揺すっている。
楽しそうで何よりです。
うぱを見ているだけで半日過ごせる。
まぁ、うちには飽きないこばかりだけどね。




