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悪魔がウチにおりまして・152

ウチには悪魔がいる。

存外、こちらの世界に慣れていなかった悪魔が。


「ニンゲン、コンビニに行ってみたいのです!」

「いままで行ったことなかったの!?」

思わず声を上げてしまったら狐がのけ反っていた。

食べていた大福を落としてしまい、不満げな顔をこちらに向けてくる。

いや、ごめんて。

「ミミ殿のニンゲン体は、歩くと男子おのこに声をかけられますから」

「たくさんお酒があると聞きます、甘いのも!飲みたいのです!」

……地雷子ちゃん、強いなぁ。

「悪魔って自分の格好は変えられないの?」

わざわざニンゲンに化けるのなら、それくらいできても不思議ではない。

しかし、悪魔、狐、なぜかクモとうぱまで首を振っている。

「そもそもヒトの姿になるのは珍ちいのです。それと申ちますのは……」

そこから30分の狐塾。

話の半分も頭に入っていないけど、要するに自分たちの姿に誇りがあるからむやみに姿を変えないとかなんとか。

昔聞いた気もする、あれは天使だったか。

……元気かなぁ。

「ともかく、ミミ殿が特殊でありそうそうコンビニで買い物をする者はおらぬのです」

「ねぇ、悪魔。羊についていってもらえば?」

たしかあやつも人型になれたはず。

そのことを伝えると首を振る。

「ヤギさんと行くと今度は女の人に……」

色々ダメだな、この2匹。

むしろここいらの治安のほうがダメなのかも知れない。

割と真剣に引っ越しを考えている最中、牛が畳から生えてくる。

「ねぇ、牛牛」

「その呼び方は新鮮ですね」

「この子コンビニ行くとナンパされるんだって」

牛が顎にヒヅメを当てて首をかしげる。

「ミミさん、もしかして変化の時魅了付いてません?学校でヒトたぶらかすためにセットで教えられているので、未熟な悪魔は変化と一緒に誘惑が出ちゃうってよく聞くん……すみません」

牛の言葉の間に、悪魔は手のひらを打って、徐々に涙をこらえ狐に撫でられているのだった。

そりゃ正面切って未熟って言われたらねー。

「良いんです!ボクだってやればできるんです!」

ぽんっと地雷子ちゃんに変化して走っていく悪魔。

「すねちゃった」

「いやー、変わらんですな。昔から飲み込みいいのに、どこか端折って」

「牛、なんかお兄さんみたいだねー」

牛は途端に無表情になる。

「どんなリアクションよ」


牛がシガレットを出した。

口に咥えぽりぽりかじりだす。

続きます。

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