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悪魔がウチにおりまして・147

ウチらは狐ビル前に居る。

これから羊と交渉です。


「おや、皆さんお揃いで。いかがなさいました?」

羊はこんな時間までメガネをかけて書類に向かっている。

割とこの羊、ワーカーホリックなのだろうか。

「ヤギ殿、実はですね……」

代表して狐がかくかくしかじかしてくれている。

「なるほど……え?空き部屋は?」

羊が至極真っ当なリアクションをしている。

「空き部屋、あるにはあるのですが、使うと痛みます。その点既に貸ちている部屋でちたら、摩耗は致ちかたありません」

……狐、身も蓋もない事言ってない?

それで羊納得するの?

「いくらオーナーとはいえ横暴です。悪魔権侵害です。私の城は……」

「ミミ殿たちが暮らす間、家賃なちにしようと思ったのですが、仕方ちかた……」

「水臭いですねぇ、困ったときはお互い様。どうぞ好きなだけ使ってください!」

羊はくるっと手のひらを返してカギを渡す。

狐はブイサインしてるが、こんな資本主義を異種族で見たくなかった本音である。

「でも、カギ?ここに住むんじゃないの?」

「ヤギ殿は2部屋借りておりまちて。ここはオフィス、住まいは隣なのです」

羊も狐も儲けてるんだなぁ。

カギを受け取り隣の部屋に行く。

そこには一面の牧草……なんで?

「ヤギ殿、退去前にきちんと元に戻ちてもらわないと」

狐はメモを取り出してオーナーらしいことをしている。

しかし、こんな牧草だらけの床、どうして作ったのか。

「ふぅ、お疲れさまでした」

そんなことを考えていると、羊が隣の部屋から帰ってくるなりどさりと干し草が丸められた場所に倒れ込む。

「ねぇ、羊。なんで草まみれ?」

うつぶせに倒れている羊が顔を上げて。

「最近忙しくて。すぐに寝れるようにしたくて」

そうよね、さっきまで仕事してたんだもんね。

「ヤギ殿、現状復帰はお願いちますね」

「大丈夫です……段ボール敷いて……」

羊はそのまま眠りについてしまう。

「ヤバいですね」

悪魔が一言溢したのがこの状況を言い表しているだろう。


羊の家にいる。

草がチクチクして眠りづらいのです……。

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