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悪魔がウチにおりまして・139

ウチには悪魔がいる。

妙に勘のいい悪魔が。


「……来る!」

みんなでお汁粉をすすっていると悪魔が目を見開いて首を上げる。

なんか一瞬こめかみあたりに電気が走ったように見えたのは気のせいだろう。

「来るって、何が?」

おモチが良く伸びる。

こういうおモチ、好きなのよねー。

「ニンゲンには感じないのですか……このプレッシャー!」

おいおい、なんか超能力者みたいなことを言っている、と思ったんだけどそもそも悪魔って人智越えた能力あったよねーと取り合わずに汁粉をすする。

放っておいたら羊も遅れて箸をカランと落としていそいそとシンクにお椀を戻す。

……あぁ、もうそんな時期か。

「なによー。ヒトを花粉みたく言わないでよ」

羊が逃げるよりも、悪魔が退避するよりも早く、玄関を開けたのはやっぱりという悪魔ズの最強の天敵。

宝田コハク、私のお姉が立っていた。

「ごちそうさまでした、急用は今日に実家で帰らせていただきます!」

羊が真っ青になりながら畳に入ろうとする。

おー、てにをはぶっ壊れてるなー。

「帰るの?せっかく芋羊かん買ってきたのに。仕方ないからみんなで分けましょ」

「やっぱり大丈夫な気がし始めました。ええ、せいぜい母の誕生日くらいの用事ですので」

祝ってやりなさい、芋羊かんで親不孝するな。

「ほら、メノはお湯を沸かして?ほうじ茶がいいなぁ」

「ないわよ、飲む子いないから」

芋羊かんとほうじ茶、合うけど……合うけど!

「ほうじ茶をお求めですか……ボクにも食べさせてくれるなら差し上げましょう」

出たな、モグラ!ナイスだよ!

「あら、新顔?」

「ぽん吉と申します。芋羊かんください」

遠慮ないよ。モグラ!

「……メノ、アンタ大丈夫?ニンゲンより悪魔たちのほうが付き合い多くない?」

やめて!うすうす気付いていたんだから!


ウチには(定期的に)お姉が来る。

徐々に悪魔に慣れていっているお姉が。


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