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悪魔がウチにおりまして・137

ウチには悪魔がいる。

ニンゲンの生活に馴染みすぎている悪魔が。


休日の昼下がり、のんびりと本を読んでいる悪魔。

小脇にはペットボトルコーヒー、しかも1リットル。

「行儀が悪いからちゃんとコップ使いな」

コップに注ぐことなく直接口を付けて飲んでいる悪魔を嗜める。

「えー。どうせコレ読む間に飲んじゃいますし。なんなら足りません」

コーヒーがぶ飲みしてお腹下しても知らないよー。

「ミミ君、コーヒーとは香りも味わうものです。そんな小さな飲み口では充分に楽しめないのではありませんか?」

羊がひょっこり顔を出す。

「別にコーヒー楽しむために飲んでません。読書のお供、本が主です」

割とこの子本好きだからねー。

本好きな人、こういうところあるよねー。

「あんなに可愛かったミミ君が私に口答えを……。ニンゲン、お酒を持ってきなさい!」

「自分で持ってきなさい」

昼間から飲むことは自己責任なのでいさめません。

「あー、ボクの分のビールもー」

「だから自分で動きなさいって」


「いやー。今回も素晴らしいお話でした。酒が捗ります」

本を読みきるまでコーヒーで乗り越えた悪魔は、台所に立ってビールの缶を開ける。

「早速更新をしなければなりませんねー」

「更新?」

悪魔がタブレットとキーボードを取り出して、カタカタ打ち始める。

いつの間に仕入れたの、そのタブレット。

「自分で読んだ本の感想、ブログに書いているのです」

おいおい、悪魔がブログかよ。

「ミミ君のブログ、人気ですよ?私も広告付けてますし」

なんだ、その提携。

「ミミ君、率直ですし本読むの早いですし。良いところと悪いところをネタバレなく感想書けるのはもはや才能です」

へぇ……。

羊にブログを見せてもらうとしっかり地雷子ちゃんの自撮りも掲載していた。

「私の案です。ニンゲンたちは女の子の写真があると群がると聞きましたので」

いらん研究されておるなー。

ブログのページを見ると数が多い、多すぎる。

「いつの間に読んだのよ」

「ほら、メンタルとタイムの」

「トラウマ発掘するなし」

あそこに閉じ込められたの忘れられるか。

「でーきた!今回もたくさん見てくれるといいですねー」

エンターキーを叩く悪魔。


ウチにはブロガーがいた。

一日のアクセス3万を越えているブロガーが。

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