悪魔がウチにおりまして・134
ウチには悪魔がいる。
何やらボードゲームを持って来てますけど。
「ニンゲンー。これやりません?」
悪魔が持ち出したのは、大きな盤状の…なんだ、コレ。
「悪魔の頂きですー」
さも知っている風に言われても知りません。
「おや、懐かしいものを」
どこから湧いたのか、羊がうんうんと頷く。
「これ、そんなに有名なの?」
「そうですね、こっちの世界で言うところの双六、でしょうか?」
絶対怪しいんですけど。
悪魔やら羊やらが持ち出した物、素直に始めていいのだろうか。
クモをちらりと見るが不貞寝しているようで。
昨日1匹で放置したことにおかんむりの様子です。
「やるのは良いけど、また変なこと起きない?吸い込まれない?」
「ニンゲンー。ただの遊びでそんなことおきるわけないじゃないですかー」
今までのギルティを忘れているあたり、今回も信用したらダメな気がしてきた。
「ではさっそく始めましょう!」
羊が箱を開けると中にはボードと駒が入っていた。
シンプル…。
「おや、新品ですね。ミミ君どこで見つけたんです?」
「アクマゾンで売ってましたー。3,000円だったのです」
あっちの通販はこちらのパクリ、と。
そんなこんなで開いたボードゲームは拍子抜けするくらい普通。
ゲームの中に吸い込まれることも無いし、何かが飛び出してくることも無い。
でもね。
「あー、ニンゲン!ルシファー様の雷食らって1回休みですねー」
「1回休みでは防御カード使えないですね。溜めてる魂をいただきます!」
ゲーム中の通過として溜めた魂(おそらく人間の)を奪われる。
「あちゃー。今度はボクが神様監査見つかっちゃいましたー。サイコロの5倍魂没収ですー」
「ろーく!ろーく!」
続いて羊がサイコロを振る。
「やりました!七罪の称号!暴食なので魂倍付けです!」
「ヤギさんが大罪をふたつ!負けてられませんよ、ニンゲン」
盛り上がる2匹。
だけどね、コレ、私がやってると罪悪感溢れてくるんよ。
そんな私の気持ちをつゆ知らず、2匹は盛り上がり続けるのだった。
クモが仲間になりたそうにこっちを見ている!
2周目が確定した!




