悪魔がウチにおりまして・123
ボクは押入れで目が覚めました。
どうやらおトイレの時間のようです。
夜寝る前にしっかりトイレに行ったのに目が覚めてしまうなんて。
あ、そうだ。
あまりのご飯の薄さにニンゲンがお風呂に入っているときに棚のお菓子とコーヒー牛乳を飲んだのでした。
失敗、失敗。
内側から開けられるように改造してもらってますのでトイレにゴーなのです!
シュッと襖を開けるとニンゲンが瞑想をしながら光っています。
時たま襖を閉め忘れると漏れて入ってくるのですが、ここは居候の身、文句を言える立場ではないのです。
今日は緑なので安定していそうです。
ボクがトイレに行ったくらいでは気付かないでしょう。
トイレから出るとニンゲンは瞑想をやめて布団に入って居ました。
時間はわからないのでなんとも言えませんがそんなに遅い時間だったのですか。
急いで寝ないと明日の仕事が怖いのです。
今日も専務にいろいろ言われてしまいましたし。
専務、何を言っても表情が動かないので少し怖いのです。
でも、いつも美味しい紅茶をくれるので好きなのです。
うつらうつらしていると、くしゃみが聞こえてきます。
クモちゃん、花粉症が辛そうです…。
早く治ってくれないと、もしかしたら毎日あの薄いご飯が続くかもしれません。
それは由々しき事態です。
何としても早く治ってもらわなければ。
しかし、ごんちゃんもアレルギーがあるなんて初耳でした。
ボクも気を付けねばなりません。
…。
寝れません。
なぜでしょう、目が冴えてしまいます。
…もしかしたら。
寝る前に飲んだコーヒー牛乳が原因でしょうか。
あんなに甘いのに!?
眠れなくなるなんて聞いてないのです!
こうして考えると夜眠る前にお菓子を食べるのも危ないのです。
カフェインが入っていないとも限りません。
よほどの緊急事態でない限り、お菓子を食べるのはやめましょう。
…ねーれーなーいー!
次の日。
ボクは眠い目を擦りながら走っています。
ええ、寝坊です。
これは今日の会議で花粉症の撲滅を訴えなければなりませんね!
「…始末書だな」
結局、遅刻してしまいました。
遅延証明書を出したというのに!
「日付が2年前だ」
みー。




