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悪魔がウチにおりまして・115

私は白い空間に居る。

あれ?帰してくれないの?


「うおぉぉぉぉ!」

「ミミ!キミの覚悟はそんなものですか!仲間の仇を討ちたくないのですか!」

「ヤギ師匠!ボクは悔しいのですぅ!」

2人はどこから出したのか、オレンジ色の道着を着こんで叫んでいた。

古典的なのはいい、暑苦しいのも仕方がない。

私を巻き込むんじゃない。

「2匹ともー。盛り上がっているところ悪いんだけど、私帰っちゃダメ?」

スポ根だかバトルマンガしているところに話しかけると、2匹の目は点になる。

「ニンゲン、精時の部屋の決まり知らないのですか?」

略すな、更に危なくなる。

「ルール?なんかあるの?」

「この部屋は入ったら24時間出られないのですよ?」

さらりと話す羊にかかと落としを決める。

「それなら!なんで!入れる前に!許可を取らない!」

こんな何もない空間に24時間?笑いごとじゃないでしょう。

「ニンゲン!落ち着くのです!」

「落ち着いていられますか!」

明日も会社があるんじゃ、社会人舐めんな!

「ここは時が止まっているのですー!」

「と、言いますと?」

羊への折檻を止めて放り投げると悪魔を正座させる。

「え、正座ですか?ボク悪くは…」

”軽く”足踏みをしてみる。

悪魔がビクッと背筋を伸ばしてしっかりと座る。

よろしい。

「この部屋、時間から切り離されているのです…なのでこの部屋の24時間は現実では動いていないのです」

ふむ。本家と似たようなものですか。

「だとしても、なんでこんなところに来る必要があったのよ」

「分体の修行は周囲に迷惑をかける可能性が…」

横たわる羊がつぶやく。

コイツは本当に空気を読まないな。

「迷惑かかるなら連れてくるな!」

トドメとばかりに羊の腹にかかと落としを打つのだった。


私は白い空間に居る。

分裂の修行をするための悪魔と、伸びている羊と一緒に。

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