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悪魔がウチにおりまして・109

ウチには天使がやってきた。

久々過ぎて忘れるところだった。


「天使さーん…なんか最近ボク来てくれる友達に驚いてばかりじゃないですか?」

それを言ってはいけない。

私も毎回驚いているから一緒です。

「ケモノが倒れたと聞いてな。息災か?」

狐の心配をしてわざわざ訪ねてきたというのか。

この天使が?本当に?

「天使さん…ごんちゃんのことを心配して…」

悪魔は感極まって涙を流し始めている。

「このケモノが倒れると世界の秩序が乱れるのでな」

あぁ、久しぶりに会ってその無感情さが懐かしいよ。

「天使さんもごんちゃんのこと好きなんですねー」

今の情報のどこにそんな感情があったの!?

「天使さん、興味の無いことにはとことん動きませんからー」

「それって世界の秩序に興味があるってことじゃないの?」

さっきそう言ってたし。

「違いますよー。そんなこと壊れたら壊れたなので気にしません。言い訳、言い訳です」

結構辛辣な言い草ですが世界ですよ?

「悪魔よ、冷静に考えてみろ。この狐、修行の身で出向扱いだろう?粗相があったら全面戦争だ。わかっているのか」

悪魔、目が点。

狐は御曹司と覚えておこう。伊達にビルを持ってない。

「しかし人の仔、また悪魔に魅入られて…本当に人の仔か?」

相変わらず無礼だなー、ひと月ぶりくらいなのにー。

そうは言いつつなんとなく悪魔のリアクションを見ると心配してくれているのは伝わる。

そうよねー。

人なのに人外と触れすぎよね。

「天使、ありがとう」

「礼を言われることはしていない。なにかあれば後始末をするのは我らだ。問題の芽は早めに摘んでおくに限る」

心配の質が違いましたか。

「天使さん、少し怖いのです。ピリピリです」

腕を組みながら文句を言っている悪魔。

いいぞ、もっとやれ。

「先日立て替えた飲み代だが」

「ニンゲン、天使さんに迷惑かけてはいけませんよー」

手のひら返し、早すぎるでしょ。

ていうか、飲み代くらい払いなさい。

「…天使ってお酒飲むんだ?」

意外に思い尋ねるとさも当然のように頷く。

「逆になぜ飲まないと思っているのだ?人が行なうことはこちらの世界で行なっていた真似事でしかないというのに」

「はい?」

「時間だ、私は戻るとしよう」

天使は言うだけ言ってスッと消えてしまった。


…天使の言葉、いつもわからないのよねぇ。

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