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悪魔がウチにおりまして・105

ウチにはクモがいる。

最近引きこもっているクモが。


「クモー、ご飯よー?」

お昼の時間になり、クモを呼ぶとロフトから手を振っている。

後でという意味みたいだ。

「洗い物片付かないから一緒に食べてー」

そういうとひょこっと顔を出して降りてくる。

なんだか最近、クモが基本ロフトから出てこない。

以前、うぱがこの家にいるようになってからうぱから逃げて引きこもったことはあるのだが、今回は逃げているというよりも離れたくない雰囲気がある。

「クモ、どうしたの?」

聞いてみたが目を逸らしてすぐに戻ってしまうだけ。

「気になるなぁ」

「気になるです」

ぽつりとつぶやいた隣に大きなもぐらが座ってご飯を食べている。

「もぐら…」

「ぽん吉です。ぽんでよいです」

茶碗にメシをぽんっと乗せながら言っている。

あー、悪魔の友だちってわかるー…。

最近羊が忙しいのかウチには来ないからご飯自体は余っているけども。

「ぽんちゃんも気になりますか」

「ですね。気になります。…ところで何を気にしているの?」

うわぁ、悪魔と仲良いの納得ー…。

「かくかくしかじか」

「なるほど。今日は美味しいトマトが採れました」

全く気にしてないじゃないか。

こちらにトマトを渡してくれるあたり、コレは敬意と受け取りましょう。

「クモちゃーん、何してるですかー?」

手を振るクモ。

よし、実力行使です。

踏み台を持ち出して、クモのロフトに目が届くように、と。

いきなり現れた3つの顔に驚くクモ。

後ろで怯える大量の子クモ。

正直叫び声をあげなかった自分を誉めてあげたい。

曰く。

悪魔の世界に行ったときに偶然できた自分の分体を作る練習をしていた。

言うこと聞かない子が多いからいつの間にか脱走する。

未完成分体なので吸収しないと力が抜けたままになるから目を離したくなかった。

都度戻すというわけにもいかず、常に見ていたとのこと。

通訳・悪魔。

「それなら、ウチの子たちとみんなで見れば?とりあえず数は減らしてほしいけど」

詳しくは言いませんがね?足が80本以上あるのは耐えられないのですよ。


ウチにはクモがいる。

とりあえず背の順整列からしつけられている子クモたちが。

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