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悪魔がウチにおりまして・103

ウチには刀がある。

…刀!?


ウチに帰ってくると畳にしっかりと刺さった抜き身の刀。

あっちの世界と繋がる場所に刺さっているため、おそらくあっちの物だろう。

そんなことを考えていると刀の脇をひょこっと悪魔が通り抜けてくる。

「ニンゲン、なんなんですかー。危ないですねー」

「私の物なわけなかろう」

悪魔がふてくされているところを見ると悪魔の物ではなさそうである。

「刀って生えてくるの?」

「…?武器は収穫するものですよ?」

久しぶりにカルチャーショックを受けますなぁ。

「それなら収穫しようよ、邪魔じゃない」

「なりません!」

手を伸ばそうとしたところ、狐が飛んでくる。

「そんなよこちまな物、触れてはいけません!」

「「よこしま?」」

悪魔とハモってしまった。

「…ミミ殿は気付いて欲ちいものです…」

露骨に落ち込んでいる狐。

少し可愛い。

「狐ちゃん、コレ邪魔なんだけどどけられる?」

宿主やどぬち殿いきなり無理難題を申ちますねー」

狐はどこからかホワイトボードをとりだして説明始めた。

長いので要約すると。

持ち主のいない刀は危ない。それは内側に籠った力があるから。

その質が合わないと逆流してしまう。

ふむ。

「要するに触っちゃダメ?」

「そういうことです。不用意に触れると…」

その時空間が震え始めた。

原因は明らか、刀が振動していた。

宿主やどぬち殿!お下がりください!」

「ニンゲン、下がるのです!」

2匹は構えて刀の前に立つ。

冷気を帯びた風が部屋に吹き荒れた。

『あのー、すみません』

「「「はい?」」」

その声は刀から出ていた。

間の抜けた重低音が部屋に響く。

『ごめんなさい、動けなくなってしまったんで、押し返してもらえません?こっちの空気合わなくて』

その言葉を聞いて悪魔と狐が近付いて肩車。

上からグイっと刀を押し込んだ。

2匹は畳の先に向かって手を振っている。

「ふう、この世の危機でちた」

「嘘つけ!」


ウチには変なのがよく来る。

…刀、喋るのかぁ。

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