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悪魔がウチにおりまして・101

うちには(まだ)羊がいる。

そろそろ引っ越さないかなぁ。


結局のところ狐のビルに居を構え、こちらの世界の情勢を報告して場合によっては粛清という子会社を設立した羊。

それをニンゲンサイドの私に言っちゃうあたり情報の管理がガバガバで心配になるのですが。

「ニンゲンは人間にカウントされてませんので…すみません」

すっとバリカンを構えたところで謝ったので許して差し上げましょう。

「それはいいとして。さっさと狐ちゃんのビルに行きなさいよ。別にここはアンタの家じゃないんですからね」

「何気に今立て込んでおりまちて」

そう口を挟んできたのはビルオーナー狐さま。

文字面見ると冗談みたいだけど、この小さな狐がビル持ってるんだからね…値段?悔しくて聞けるわけがないでしょ?

「狐ちゃん、立て込んでるって?」

「それは…」

玄関からのそりと牛が入ってくる。

「大家さんは言いづらいですよね。なんか、湧いてしまいまして」

「また幽霊?」

ノータイムでそう聞いてしまった自分が毒されていることに気付いて頭を抱える。

「幽霊ならしょっ引けばいいんです。本職に近いのでやりたくはありませんが」

牛の職業は取締っと。

「それなら何が湧いたの?」

「温泉です」

なんですと?

温泉という言葉にうぱが反応して風呂桶と手ぬぐいを用意している。

なんでそんな幸運が起こるのよ…ってそういう化身か。

「ウチに温泉が湧いてちまって、よりにもよってヤギ殿が入る予定の部屋の隣…今も水浸ちなのです」

狐は耳をぺたんと垂らして困り顔。

そうよね、いくら何でもいきなり温泉湧いたら困るよね。

「なので私は相変わらず根無し草なのです」

「牛、一緒に住めば…」

「…おっさん2匹で同棲とか。普通に無いでしょ」

その反応は当然にしても。

これらがおっさんかどうかは私にはわかりません。

宿主やどぬち殿、ヤギ殿をしばらく住まわせていただけませんか?」

うるんだ目で見つめてくる狐。

「結局行くところないんでしょ。困ったときはお互い様。悪魔のベッドで寝るならいいよ」

ベッドと言っても押入れだけれど。

「…女の子と一緒の場所で寝るのはちょっと」

…どこを突っ込めばいいの?


ウチにはもう少し羊がいる。

デリカシーはなんとなくある羊が。

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