第71話 久しぶりの出会い
盗賊団を倒して腕輪をゲットし、寅影村の近くまで戻って来た。
「いやー!腕輪手に入ってよかったな!」
これで腕輪は2つ。
あと一つ手に入れればゴールまで王手だ。
「でも、なんで寅影村はこんな所にあるんだろうな」
寅影村は巨大な穴の中心の残った大地にある。
下には岩が鋭く剥き出しており、それは自然にできた難攻不落の城だった。
「多分、樹海から出てくるモンスターや盗賊団から村を守るためでしょうね」
國咲が冷静に分析する。
「でもどうせ寅影村には行かないといけないもんな」
「ですね、ゴールは絶対に寅影村に関係していると思います」
「だよなー」
俺たちは寅ノ四のチーム。
中間試験は腕輪を3つ集めてゴールへ向かう。
ゴールは自分たちで探せ、ということだった。
「あ、みて!ほかのちーむがむらにいこうとしてる!」
しずくちゃんが指差して言う。
見ると、確かに他のチームが門番に通行証を見せ、橋を渡ろうとしていた。
そのチームの一人は青髪のベリーショートの男子生徒。
この距離からでもわかるような自信の有り余る胸を張った歩き方。
よく見るとそれは仙撃だった。
「ああああー!」
大声を出して橋に向かって走っていく。
その奇声に気づいたのか仙撃たちのチームが歩を止める。
「仙撃ー!」
「おお!鳴神!」
仙撃が橋を引き返してくる。
橋から戻った大地で出会い頭に2人で握手をする。
國咲としずくちゃんも急いでついてきた。
「なんですか急に走り出して!この人は知り合いですか?」
「同じクラスの友達だよ!」
「仙撃音波だ!よろしくな」
仙撃が國咲に手を差し出す。
國咲が戸惑っている。
どうだ、こんな明るい人間見たことないだろ。
「よ、よろしくお願いします・・・」
控えめに差し出された國咲の手を仙撃は思いっきり握った。
「いたっ!」
「よろしく!」
仙撃の腕には腕輪が3つはめてあった。
「お前、もう腕輪3つ集めたのかよ!」
「おう!それに3つじゃないぞ!」
仙撃が自分の仲間を指差す。
そこには腕輪がもう一つはめてあった。
「全部で4つだ!」
「すげー!1つくれよ!」
「いいぞ!」
「マジか!」
仙撃が腕輪を1つ外そうとする。
「ダメです!」
声と共に仙撃の仲間が急いで止めに入った。
「別にいいだろ?腕輪は3つで十分なんだから」
「ダメですよ!」
仙撃とその仲間がゴニョゴニョ話している。
「目的を忘れたんですか!?」
「あー、そういえばそうだったな」
目的?
ゴール以外に何か目的があるのか?
「鳴神たちも今から寅影村に入るのか?」
「いや、俺たちは・・・通行証無くしちゃってさ」
「まじかよ!俺たちと一緒に入るか?」
「マジで!?」
するとまた、仙撃チームの残り2人が止めに入る。
再び仙撃のチーム3人で話している。
大丈夫だって、そんなことするやつじゃねーから。
そんな声が聞こえてくる。
話がまとまったようだ。
「鳴神!俺たちと一緒に寅影村に入ろう!」
「やった!2人とも入れてくれるってよ!」
しずくちゃんは喜んでいるが、
國咲は怪訝そうな顔をしている。
「この人、本当に信用できるんですか?」
「大丈夫!こいつは一緒に王様ゴールで協力しあった仲間だから!」
仙撃が謎にガッツポーズをする。
「かっこいー!」
しずくちゃんはそう言っているが國咲は苦笑いしている。
ということで俺たちは運良く仙撃のチームと出会って寅影村に一緒に入れてもらうことになった。




