第64話 2人なら
「よっ!間に合った!」
急いで戻ったら國咲が倒れていて、
モンスターに襲われる寸前だった。
考える前に俺はモンスターにエネルギー砲をぶっ放していた。
俺のエネルギー砲で少しは怯んだが、
モンスターに傷はない。
そこで國咲が目を覚ました。
國咲は間抜けな顔で俺を見ている。
「まさかもう一回あなたの顔を見れるとは思いませんでした」
「何回でも見てくれ」
そばに駆け寄り、國咲に寄り添う。
「お前、怪我大丈夫か!?」
國咲は腕からの大量の出血と打撲の後があった。
「大丈夫じゃないです。でも・・・あなたといると大丈夫な気がしてきました」
國咲が軽く笑う。
見た感じ致命傷ではなさそうだ。
肩を貸して國咲を立ち上がらせる。
「行くぞ、國咲」
目の前でモンスターがあの鳴き声で鳴いている。
「怪我してる私を抱えて逃げるつもりですか?」
「もちろん」
当たり前のように答える。
モンスターは獲物を狙うように3つの顔を動かし、
こちらの様子を伺っている。
「このモンスター、能力持ちです」
「能力を持ってる!?マジかよ」
それは想定外だ。
人間以外でも能力使えんのかよ。
「”能力阻害”です。こいつの前では能力が作用しにくくなります」
「でも俺は普通に使えたぞ?」
さっきも何の障害もなくエネルギー砲を撃てた。
「よくわからないですけど、あなたは特別なようです。それを活かして戦いましょう」
「國咲、あの能力使えるか?」
「はい。でも体力的にあと1、2回が限界です」
「わかった。あと少しだけ頑張ってくれるか?」
「もちろんです。あなたのためなら限界まで頑張りますよ」
瞬間、モンスターが痺れを切らして襲いかかってくる。
それに合わせてエネルギー砲を放ち、目をくらます。
その隙に國咲が”完全未来予測”を使って姿を隠す。
完璧なコンビネーションだった。
まるでしずくちゃんの”身体共有”の能力で繋がっているように。
木の幹の後ろに隠れる。
2人がいないことに気づいたモンスターが大きな声で鳴いている。
消えた俺たちを探しているようだ。
モンスターはあたりを動き回っている。
木に隠れ、息を潜ませる。
おびえているのか隣にいる國咲の手は震えていた。
そうだよな、1人でこんな恐ろしいモンスターと戦ってたんだもんな。
・・・忘れてたけど、この子はまだ中学生なんだ。
相当な覚悟を持って囮になってくれたんだろうな。
怖かったよな、ごめんな。
國咲の手をギュッと握る。
すると國咲も握り返した。
別にモンスターを倒す必要はない。
この場から逃げられればそれでいい。
瞬間、モンスターの横っ面めがけてエネルギー砲をぶっ放した。
エネルギー砲は見事にモンスターに直撃する。
「今のうちだ!逃げるぞ!」
國咲をおぶって走り出す。
後ろから痛々しい叫び声が聞こえる。
流石に少しは効いたか。
森を駆け抜ける。
「守るつもりが、逆に守られてしまいましたね」
俺におぶられている國咲が呟く。
「まだ中学生なんだから、子供らしく守られとけ」
後ろにモンスターが追ってくるかを気にしながら走る。
「・・・あなたは誰にでも優しすぎなんですよ。そんなんじゃいつか死にますよ」
「その時はお前が隣にいて未来を変えてくれ」
國咲を背に抱え、村に向かって走った。
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