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異能学園最底辺C組 〜落ちこぼれ能力者たちの下克上〜  作者: ぺいぺい
第二章 中間試験 縦割りサバイバル編
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第60話 中心山 


 着地した目の前には驚きの光景が広がっていた。

それは多くの他の学園の生徒だ。


 瞬間に全ての視線が俺たちに集まった。

しかしそんなに珍しい光景でもないのか、すぐに誰も気にしなくなる。

すぐに別のチームが空から降ってきた。

また視線が集まり、すぐに誰も見なくなる。


 山には多くの生徒が集まっている。

また標高が高く、この世界を一面見渡せる。


 山の上は円状に平坦に広がっており、

山の周りは世界の果てと同じように滝に囲まれていた。

ということはこの場所は宙に浮いてるってことか。


 円の縁にはそれぞれの十二支の絵が均等に描かれている。

なるほど、この場所も円状で十二支に分けられてるのか。

この絵の場所の滝に飛び込めばその村に移動できるのか。



「にしてもすげー人だな」



 チーム同士が楽しそうに話し合っている姿が見られる。

何か握手しているチームもある。

そうか、この場所は情報交換や他チームと協力関係を結ぶ場所になってるのか。

そんな多くの人の中、見覚えのある姿を見つけた。


 輝く金髪、誰とも馴れ合わないような一匹狼のオーラ。

自信に満ち溢れた立ち振る舞い。



「天使!」



その姿を見つけ、すぐに走っていく。



「あら、あなたたち、生きてたのね」


「よくもやりやがったな!」



未影村で襲われたことを問いただす。



「よくも?ちょっと意味がわからないわ」



 見ると天使は腕輪を2つ着けていた。

この腕輪の一つは村長を殺して奪った腕輪だ。

天使が俺が腕輪を見ていることに気づく。



「あら、あなたたちはまだ腕輪1つ?可哀想に」



天使がおちょくってくる。



「すぐにもう1つゲットしてやるよ!」


「行きますよ!今は争ってる暇はありません!」



 國咲に引っ張られ、言い合いは終了する。

ベロベロと天使を挑発する。

天使も同じように挑発を返してくる。

そういえば未影村での天使とは雰囲気が違うな。



「ここから早く離れましょう」



國咲が足早に歩く。



「え?どういうことだよ」


「わからないんですか?よく周りを見てください」



 言われた通り周りをよく観察する。

すると、あることに気づいた。

みんな、腕輪をつけているチームをジロジロ見ている。

なるほど、腕輪を狙っているのか。

俺たちも見られている視線を感じる。

腕輪を盗られないようない体の前に持っていく。



「なあ、そこの3人!」



 男3人組のチームが話しかけてきた。

國咲は声に反応せずに歩き続ける。

男3人はナンパのように俺たちの隣を付いて歩く。



「よかったら俺たちと協力しない?こっちは強い能力者が揃ってるぜ?」



 話しかけてきたそいつは俺の腕輪をチラチラ見ている。

こいつらも腕輪目当てか。

奪われないように警戒する。



「俺、A組なんだぜ!能力は”磁力操作”。どうだ?最強だろ?」



 A組だと自称する男。

こいつ、年上っぽいな。

上級生か?

高2か高3のA組だろうな・・・強そうだな。



「あなたみたいな雑魚と協力するつもりはありませんから」



 國咲が冷たい声で突っぱねる。

なんとなくだが、國咲は俺たちと出会ったばかりの時と同じような雰囲気に戻っていた。



「ひどいねー」



 リーダー格の男が他の2人に笑いかける。

何が面白いのか他の2人は大笑いしている。


 こいつらなんかムカつくな。

ぶっ飛ばしてやろうかな。



「後ろの2人、ガキとキモい男だしさ、こんな2人だと頼りないだろ?俺たちと協力しようぜ!」



 おい、俺のことキモい男って言ったか?

瞬間、能力でぶっ飛ばしてやろうと思った。

しかし先に動いたのは國先だった。


 國咲がA組の男の腕を掴んで一本背負いし、

自分よりも大きな体なのにたやすく空中に跳ね上げた。


 そして男を地面に勢いよく叩きつけ、

間髪入れずに男の顔に拳を思いっきり振り下ろした。


 俺は一連の流れるような動きをただ唖然と見ているしかできなかった。

地面に叩きつけられ殴られた男の顔から血が吹き出す。



「な、何しやがる!」



 他の2人が言う。

國咲がそのまま、地面に倒れている男の顔を踏みつけようとしたところを急いで止める。



「お、おい!もう十分だろ?」



 俺に羽交い締めにされた國咲が動きを止める。

冷静になったようだ。

A組の男は血を流して悶絶している。



「行きましょう」



 國咲がスタスタと歩いていく。

その後ろを戸惑いながらついていく。

いつの間にか多くの人が俺たちのことを遠巻きに見ていた。



「おいおい、みんな引いてるぞ」


「・・・別にいいですよ。これで鬱陶しい虫が寄ってこなくなりますよ」



 どうしたんだ?

あんなにムキになるなんて、

あいつらがしつこく言い寄ってきたのがそんなに嫌だったのか?



「まあ、あんなにしつこく言われたら嫌だよな」



國咲をフォローに回る。



「違いますよ、大切な仲間をバカにされたのが許せなかったんですよ」


「え?なんて?」



 國咲が小さく呟いたが聞き取れなかった。

すると向こうに人だかりができているのを見つけた。

見ると演説のように一人の生徒が群衆に呼びかけている。

微かに声が聞こえてくる。



「こちら情報屋です!少し力を頂く代わりに腕輪の情報をお教えいたします!能力で既に多くの腕輪の場所を特定できています!」



 そう叫んでる生徒の横にもう一人がいる。

何かの能力で力を吸収しているのか。

力を与える代わりに腕輪の情報を貰える、いいじゃないか。



「あれいいな。俺たちも」


「ダメです。そんなうまい話あるわけないでしょ?もっと人を疑ってください」


「あ、はい」



 今の國咲はなんか怖い。

ここは潔く引いておこう。


 にしても本当に多くの生徒がいる。

でも今はみんなライバルなんだよな。


 どんどんと他のチームとすれ違っていく。

腕輪を持っているチームも見かける。

がっしりとした体に無愛想な歩き方の男とすれ違った。

ん?今の赤髪オールバック・・・

見ると知った顔がいた。



「おお赤坂!」


「あぁ?あ・・・」


「久しぶりだな!3日ぶりぐらいか?」


「うるせぇ、黙ってろ」



赤坂の言葉を聞いた國咲がまた戦闘態勢に入る。



「ダメダメ!俺の友達だから!」


「おい、俺たちはいつ友達になったんだよ」



 國咲が警戒を解く。

見ると赤坂のチームは腕輪を1つ持っていた。



「お前らどの村から来たんだ?」


「俺たちは丑影村だよ」


「へー!俺たちこれから寅影村に行くんだよ!隣だし、丑影村にも行ってみようかな!」


「・・・」


「どうした?」



赤坂が黙り込む。



「・・・これは警告だ、丑影村の近くには行くな」



赤坂が神妙な顔つきで言った。



「な、なんで」



 よく見ると赤坂のチームメイト2人は怪我をしたのか包帯を巻いていた。

赤坂が口を開こうとするが、やめた。

ん?なんだ?

赤坂は俺たちとは違う遠くを見ている。



「厄介な奴が来やがった」



何を見てるんだ?



「お前らも脱落したくなかったらすぐにここを離れろ」



そう告げると赤坂のチームは足早に去っていった。



「あいつらどうしたんだ?急に。それに丑影村に近づくなって」



そんな赤坂たちの後ろ姿を見つめていると、



「まさか!」



急に國咲が叫んだ。



「どうしたんだ?」


「私たちも今すぐここを離れますよ!」



國咲が突然走り出す。



「待てって!赤坂もだけど、お前もどうしたんだよ!」


「いいから早く!」



 状況が飲み込めないまま國咲についていく。

もしかして未来を見たのか?何かここにいてはまずい理由があるのか?



「急いで!もうすぐこの一帯が消滅します!」


「消滅!?なんで!?」


「奴が来ます!」


「奴?」


「学園最強の能力者、七罪聖夜!」



七罪聖夜!?



「あなた七罪聖夜と戦ったらしいじゃないですか!一番あの男の恐ろしさを知ってるでしょう!?」



 七罪聖夜は恐ろしいほどの能力者で、

王様ゴールでも俺と赤坂と仙撃で力を合わせても叶わないぐらいだった。



「なにかくる・・・」



 しずくちゃんも感じたのか、

怖がっている。


 國咲がノンストップで寅影村へ続く滝に飛び込んだ。

もう怖がってる暇はなかった。

俺たちも続いて飛び込んだ。


 飛び込んで数秒後、

上から叫び声とともに凄まじい爆風が俺たちを襲った。



「まずい!飛ばされる!」



 爆風の影響で横に流される。

俺たちはどうすることもできないまま、

暗闇を流れて行った。




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