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異能学園最底辺C組 〜落ちこぼれ能力者たちの下克上〜  作者: ぺいぺい
第二章 中間試験 縦割りサバイバル編
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第52話 月光下の天使 


 村長の家は既に半壊状態で屋根が崩れて月の光が部屋の中に入ってきており、

その光に天使が照らされている。

天使の金髪が反射して輝いている。



「先に村に到着してたのはお前のチームだったのか」



 天使は腕輪を手に持っている。

何かいつもの雰囲気とは全く違う。

俺が知ってるツンケンしている天使ではなく、

俺たちを敵視しているような雰囲気を感じる。



「・・・お前、その人殺したのか?」


「抵抗したから黙らせただけ」



 倒れている村長はひどく怪我をしている。

床に血だまりができるほど出血しており、ピクリとも動かない。

多分、もう死んでる。



「それで、何の用?もう腕輪は私たちのものよ。まさか腕輪を奪い取ろうとでもいうの?」



 天使が嘲笑するように、俺たちを見る。

同時にビューッと俺たちに向かい風が吹く。

本能的に勝てないと感じる。

王様ゴールの時のようにはいかないのがわかる。


 上と下。

天使は完全に自分の方が上だと思ってるんだろうな。



「あとの2人はどうしたんですか?」



 國咲が天使に問いかける。

確かに天使のチームのあと2人が見当たらない。



「さあ?どこに行ったんでしょうね」



 はぐらかしてるな。

その時、天使の背中から白く大きな翼が姿を現した。

そして天使が軽くしゃがみこんだ。

これは飛ぶつもりだ!


 瞬間、國咲が天使に向かって走り出した。

天使がそれに気づいて飛ぶ動作をやめて戦闘態勢に変わる。

國咲が天使にタックルしようとするが、

それに気づいて横に躱す。

しかし未来が見えている國咲は天使が避ける場所に蹴りを合わせた。


 天使は羽でガードしたがまともに蹴りは入った。

國咲が追撃をしようとするが天使が國咲の届かない所に浮遊する。

バサッバサッと翼がはためく音が響く。

場に緊張が走る。



「あなた、並の能力者じゃないわね」



天使が國咲を見て言う。



「そういうあなたこそ、空を飛ぶ能力なんてイかれてますけどね」



 國咲が返す。

2人の間に沈黙が流れる。

いつ次の攻撃がくるかわからない。


 完全に2人の空気になっている。

でも俺たちも黙って見てるのはダメだ。

隣にいるしずくちゃんに足を滑らしてトン、と合わせて合図を送る。


 するとしずくちゃんも気づいたのか、

天使に気づかれないように俺に触れて”身体共有”の能力を使った。

俺としずくちゃんの感覚が繋がるのがわかる。


 天使は今すぐにでも飛んで逃げるか、攻撃をしてきそうだ。

國咲は俺としずくちゃんの真正面に立っている。

その先に浮遊している天使がいる。


 ここからぶっ放すか。

もし國咲が未来を見てるなら俺がエネルギー砲を撃つのに気づいて避けてくれるだろう。

頼むぞ國咲。


 覚悟を決めてしずくちゃんのパワーを借りる。

瞬間、天使に向かって手のひらを向ける。

同時に國咲が横に飛びのけた。


それを認識した瞬間、天使に向かってエネルギー砲をぶっ放した。



”中火力砲”



 対面の家の壁と屋根が吹っ飛ぶ。

避ける隙はなく、直撃したはずだ。

しかし天使の姿はない。



「二度も同じ技に引っかかると思った?」



 無傷の天使が現れる。

二度とは、王様ゴールの最終戦のことを言ってるんだろう。

何事もなかったようにユラユラと浮遊している。



「あなた、それしかできないのね。それじゃあ一生C組ままよ」



 その言葉が俺に強く突き刺さった。

気にしてはいたがどうすることもできなかったこと。

天使はそう言うと高く舞い上がった。



「これは置き土産よ」



 すると天使が翼を強くはためかせた。

瞬間、家が粉々に吹っ飛び、

同時に台風に巻き込まれているような威力の暴風が俺たちを襲った。

3人とも思わず地面に跪く。


 周りを見ると天使が起こしたであろう風の壁に俺たちは囲まれていた。

暴風の壁には吹っ飛んだ家や周りの木、石や岩が巻き込まれていた。

俺たちは竜巻の中心にいる。



「とんでもないことしてくれましたね」



國咲が天使に言う。



「喰らったら即死よ。これが本当のA組の強さよ」



 まるで國咲がまだ半人前のような言い振りだ。

天使が去っていく。

暴風の壁は消えずにどんどん俺たちに迫ってくる。

どうする!?



「これはまずいですね」


「俺のエネルギー砲じゃどうにもできないぞ!」



 しずくちゃんを側に抱き寄せる。

暴風の壁はすぐ手の届くところまで迫ってきている。

怪我覚悟で暴風の中を突っ切るか!?



「私の近くに集まって!」



 國咲が叫ぶ。

何か作戦があるのか!?

國咲に肩を寄せる。


 3人で固まって身を寄せ合う。

暴風の壁が俺たちを飲み込もうとする。

もう國咲に任せるしかなかった。



「この技は滅多に使わないんですけどね」



そう呟いた國咲からものすごい力を感じた。



”完全未来予測”



◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇



 さっきまでの体が吹き飛ぶような暴風を感じなくなった。

おそるおそる目を開けると暴風の壁はなくなっていた。



「助かったのか?」



 國咲が俺に倒れこんでくる。

見ると、國咲は意識がないようだった。



「おい國咲!國咲!?」


「みく!?」



頭が真っ白になる。



「いたぞ!」「村長になにをした!?」



後ろを振り向くと村人がこちらに迫ってきていた。



「しずくちゃん!とにかく逃げよう!」



俺は國咲を抱えて走り出した。


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