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異能学園最底辺C組 〜落ちこぼれ能力者たちの下克上〜  作者: ぺいぺい
第二章 中間試験 縦割りサバイバル編
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第49話 初めての戦闘 


 目の前には大きな黒い体に巨大な2つのハサミを持つサソリ。

戦おうと3人でサソリに向かって構えるが、

誰も動こうとしない。



「・・・え、國咲?」


「はぁ!?私!?」


「いや、未来を見て攻撃するとかしろって!A組だろ!?」


「未来見てどうしろってんですか!私、格闘は得意ですけどこのサソリ相手じゃどうしようも無いです!あなたがどうにかしてくださいよ!まあC組だから無理でしょうけどね!」



大量の言葉で反撃される。



「舐めんなよ!俺めっちゃ強いからな!?」



2人でサソリを前に喧嘩を始める。



「あぶない!」



 しずくちゃんの声で2人ともハッと我に返る。

サソリがハサミを向けてこちらに勢いよく走ってきていた。


 咄嗟にしずくちゃんを抱えて横に飛び退ける。

バチンッ!とサソリのハサミのぶつかる音が響き渡る。


 サソリがカチカチとハサミを合わせている。

こんなハサミにやられたらひとたまりもないぞ。

國咲も反対側に避けられたみたいだ。


 サソリが俺たちの方を向いて突進してくる。

こうなったら!

サソリが近づいた瞬間、サソリに向かって中火力のエネルギー砲をぶっ放した。


 エネルギー砲はサソリを包み込むほどの大きさで、

サソリに一直線に飛んで行って直撃した。

ダメだ!感触が弱い!

硬い体に阻まれてエネルギー砲が受け流されるのがわかった。


 サソリはハサミを前に体をかがめていた。

案の定サソリはノーダメージだ。

何事もなかったように起き上がる。



「な、なんなのその能力・・・あなたC組じゃないんですか?」



 向こう側から國咲の驚きの声が聞こえる。

今は國咲に返す余裕がない。


 思った以上にサソリの体が硬い。

相当強力なエネルギー砲じゃないと倒せなさそうだ。

高火力のを撃ってもいいが、

先が分からないこの砂漠でエネルギーを使いすぎるのも危険だ。



「國咲!作戦を考えるから時間を稼いでくれ!」



反対側にいる國咲に言う。



「はぁ!?」



声に反応するようにサソリが國咲の方を向く。



「あーもうっ!」



 サソリが國咲に突っ込んでいった。

ハサミで攻撃するが、

國咲はサソリの行動がわかっているみたいに簡単に避けている。

これが未来を視る能力か!


 それよりどうする!?

逃げるのはまず無理だし、倒すにしても國咲の能力じゃ倒せない。

やっぱり俺がやるしかないか!?


 そういえばしずくちゃんの能力はどうだ。

確か心体共有とか言ってたよな。



「しずくちゃん!能力、俺に使える!?」



どんな能力かまだよく理解してないが体で理解しよう!



「まかせて!」



 しずくちゃんが俺に手を差し出す。

その手を握った瞬間、体の中に何か自分とは違うものが流れ込んできた。

自分の体にパワーがみなぎるのを感じる。

なんだこれ!?

そしてなぜか子供のような無邪気でワクワクした感情が沸き起こる。



「わたしとひゅうがのこころとからだをきょーゆーしたよ!」



 なるほど!しずくちゃんの能力がなんとなく理解できた!

心と体を共有、つまり言い換えれば感情と力を共有できるってことか!

この能力を使えば2人分のパワーを使える。

それに、俺が元気だとしずくちゃんも元気で、悲しいとしずくちゃんも悲しいのか!



「ひゅうがのからだすごい!」



 しずくちゃんが俺のエネルギー量に驚いている。

そりゃそうだ、俺は体に膨大なエネルギーを溜め込めるんだから。



「これであのさそりたおせる?」


「もちろん!」



 しずくちゃんも小さい体なのにとてつもない力を備えてる!

流石B組だ!

このエネルギー量なら余裕で高火力のエネルギー砲をぶっ放せる!


 國咲!サソリから離れろ!

俺がそう言おうとする前に國咲は未来を視て俺の言うことがわかったのか、

サソリから離れていた。


 サソリに向かって構える。

何かを感じたサソリが國咲から俺の方に振り返る。

その間にしずくちゃんと共有したパワーを使って中火力のエネルギー砲をぶっ放した。

撃つ瞬間、



「なんなのこの能力・・・」



 未来を見た國咲の驚く声が聞こえた。

多分、俺のエネルギー砲の強さに驚いてるんだろう。

今からその未来を見せてやるよ!


 俺の手のひらから放出されたエネルギー砲はサソリを包み込んだ。

今回はさっき撃ったのと違って強い手応えがある。


 途端に砂が舞う。

砂が治った頃にはサソリの姿はなく、木っ端微塵になっていた。

撃った方向の砂漠の砂が吹き飛んでおり、下の大地が削り取られるように姿を現していた。



「よっしゃー!みたか!」


「さそりたおしたー!ひゅうがすごい!」


「だろ?でもしずくちゃんの能力のおかげだよ!」



 2人で褒め合い、ハイタッチする。

するとゲホゲホと咳き込む音が聞こえた。



「ん?」



声の方を見ると、風の方向的に砂が全部國咲に飛んで行って砂まみれになっていた。



「最っ悪!」



ギロッと睨まれる。



「あー、すまん」


「なんなんですかあなたの能力!あなた本当にC組ですか!?」



國咲が体についた砂をバシバシと払いながら言う。



「だから俺は強いって言っただろ!っていうかお前の能力でずっと未来を視てたらサソリに騙されることもなかったんじゃねーか!?」


「何言ってんですか!ずっと能力を使うなんて疲れるから無理に決まってるでしょ!そんなこともわからないんですか!?」



 國咲が勢いよく立ち上がって俺に向かってくる。

俺も負けずと國咲に近づいていく。



「あなたが足跡を辿って行ったんでしょ!?その結果がこれです!」


「いや、お前だってついてきただろ!?お前も一緒に騙されたんだよ!」



 年下に何をムキになってるだと自分でも少し思うが、

もう止まらなかった。



「けんかしちゃだめ!」



 俺と國咲が言い合う中、

しずくちゃんが間に入って止める。



「なかよくしよ?」



しずくちゃんが泣きそうなウルウルした目で俺たちを見つめる。



「・・・今回はしずくちゃんに免じてこの辺にしておきます!」


「そうかよ!」


「あと!このチームのリーダーは私ですから!私の指示にしたがってもらいます!」



そう言うと國咲は一人でズンズン歩き出した。



「いや!年長者の俺がリーダーだ!」



 負けずに國咲を走って追い越す。

國咲が俺を追い返す。

そんな2人の後ろをしずくちゃんが慌ててついてきている。

また俺たち3人は果てしない砂漠を歩き出した。



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