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第36話 紫炎 



ボートの底の空間に隠れていた赤坂が出てくる。



「これが俺たちの秘密兵器だ!」



 赤坂は今まで俺たちの作戦に協力せずにずっと単独行動だった。

A組から点を獲るには赤坂の協力が必要と感じた俺は、

昨日の夜にどうしても作戦に参加してほしいと頼み込んだ。



「なんで隠れねぇといけねえんだよ!」



赤坂が出てきてすぐ俺を睨みつける。



「秘密兵器は隠しておくもんだろ!」


「意味がわからねぇ!」



周りなんて気にせず2人で威張り合う。



「おい!喧嘩してる場合じゃねぇぞ!龍が火を吹く!」



それを見た仙撃が言う。



「決してお前らの仲間になったわけじゃねーからな!俺は俺の目的のためにお前らを利用するだけだ」



 赤坂が話しながらボートの一番先に移動する。

その時、目の前の龍が火を吹いた。

同時に赤坂が勢いよく紫の炎を放射する。


 相殺してる!

両者の炎がぶつかり合う。

龍が威力を強めると赤坂も強める。

ボートはそのまま進んでいく。



「このまま龍の足元を通り抜けよう!」



 流星が一気にスピードをあげる。

赤坂が龍の火を相殺している間に龍の腹まで滑り込んだ。

龍は火が届かなくなって火を吹くのをやめた。


 行ける!

ボートはついに龍の足元を通り抜けた。



「よっしゃ!このまま龍を振り切るぞ!」



 次の瞬間、

ボートの横から強い衝撃が伝わる。

ボートが水流の上をぐるぐると回転していく。



「みんなボートに捕まって!」



 数秒間回転が続いた後、

ボートはゆっくりと体制を立て直した。



「な、何が起こったんだ!?」


「龍の尻尾で薙ぎ払われたんだよ」



 赤坂が冷静に答える。

後ろを向くと龍は体勢を変えて俺たちの方を向いていた。



「これは振り切れないぞ鳴神!」



 仙撃の言う通りだ。

龍は思ったよりもしぶとい。

このまま龍を連れてA組のゴールを目指すのは難しい!

ここでこの龍を仕留めておかないと!


 龍を見るともう一度火を吹いてこようとしていた。

すぐにボートの後ろ側に移動して龍に向かってエネルギー砲を撃とうとする。

すると赤坂が俺を遮って前に入ってきた。



「俺がやる。お前は次のことを考えてろ」



 そう言うと赤坂が龍に向かって構えて紫の炎を噴射した。

するとボートと龍の間に紫の炎の壁が出現した。



”炎壁”



「これだけで防げるのか!?」



仙撃が赤坂に声をかける。



「黙って見てろ」



 龍は案の定、紫の炎の壁を突っ切って来た。

しかし次の瞬間、龍がグァァァァ!と痛々しく叫び出した。



「俺の紫の炎は普通の炎じゃねーぞ。高温で一度燃えたら絶対に消えない炎だ」



 後ろを振り返ると龍が自分の体に燃えている炎を消そうと、

地面やビルにぶつかってのたうちまわっている。


 赤坂がニヤッと笑って龍に構える。

すると広範囲の紫の炎を龍に向かって放った。

紫の炎は龍を包み込んで大きな火柱になった。

龍の叫んでいた声は聞こえなくなった。



「さ、さすが秘密兵器だな」



赤坂はC組とは思えないな。



「アチアチッ!ボートに炎が燃え移ってるぞ!」



 栗八くんが叫ぶ。

渚さんが急いで紫の炎に水をかけるが炎は消えない。



「この炎消えないんだけど!?」



渚さんが半ギレで言う。



「だから消えねぇって言ってんだろうが」


「このままじゃボートが燃えちゃうじゃん!」



 ボートの周りを紫の炎が囲み、

燃えたまま進んでいく。



「別にいいだろ。燃えてた方がA組のやつらは寄ってこないぞ」


「形が崩れる!」



ボートの形がグニャンと崩れる。



「大変なんだぞ!?ボートの構成を理解して生成し直すのは!」


「うるせぇ、難しい言葉使うな」



栗八くんの文句に赤坂が冷徹に答える。



「俺、お前嫌い!」



栗八くんが赤坂を睨みながら能力で必死にボートの形を保っている。



「ハハ!楽しいな!」



 その光景を見て仙撃が笑った。

赤坂がその笑い声をうるさそうに聞いている。

流星は苦笑いしている。



「ああ!楽しいな!」



1日目に食料を奪いにログハウスに行ったとき、三田寺先生はこう言っていた。



”お前たちC組にあって他のクラスにないものがある。今はそれがわからないかもしれないが、じきに何かわかる。それがわかれば他のクラスに勝てるかもしれないな”



 C組にあって他のクラスにないもの、

やっとそれが何かわかった。


 それはクラスの絆だ。

A組は個人が好き勝手動いてるし、B組はあの凶獄黒臣の一強だ。

C組は違う。

みんながみんなを信じて行動している。

ひとりじゃない。


 能力が弱くても全員で力を合わせれば勝機はある。

これであとはゴールするだけだ。

奥にA組の陣地の白線を視認できた!

あれを超えればゴールだ!

しかしその前には学園最強の能力者、七罪の姿があった。



「やっぱりか。あとはあいつだけだ!このままギリギリまで近づくぞ!」



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